第26回-精神専門25

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問題 25 社会的包摂 (ソーシャルインクルージョン) に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1日本精神保健福祉士協会倫理綱領の中で, 「倫理基準」の「社会に対する責務」において社会的包摂の実現がうたわれている。
2 国連の「精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則」(1991年)で, 精神障害者を対象に社会的包摂という用語が初めて用いられた。
3 ヴォルフェンスベルガーは, 社会的包摂の核になるものとして「ソーシャルロール・バロリゼーション」を提唱した。
4 国際ソーシャルワーカー連盟 (IFSW) による「ソーシャルワークの定義」(2000年)で, 社会的包摂の促進努力がソーシャルワークの価値として強調されている。
5 ソロモンは, 知的障害者の生活を可能な限り通常の生活状態に近づけることとして社会的包摂を提唱した。

むむむ。僕はこういう問題は苦手です。なんだかよく分からなくなっちゃうんですよね。

社会的包摂とは, ソーシャルインクルージョンと言われ, 様々な生活を抱えた人間を社会的に排除しないで, 包み込もうという考え方です。

選択肢1 誤り。社会に対する責務においては「精神保健福祉士は, 専門職としての価値・理論・実践をもって, 地域および社会の活動に参画し, 社会の変革と精神保健福祉の向上に貢献する。」とされています。現在のところ社会的包摂については触れられていません。そのうち入る可能性もあるとは思いますけど。。

選択肢2 誤り。原文はこちらです。この原則は, 旧ソ連の政治犯に対する精神治療の乱用への反省から, 各国が守るべき精神障害者保護と治療の原則で, 主に強制入院などにおける精神障害者の権利保障のための手続きについて言及したものです。年代的にも原則の性格的にも言及はなさそうです。

選択肢3 誤り。ヴォルフェンスベルガーの「ソーシャルロール・バロリゼーション」は, 「価値のある社会的な役割の獲得」を意味する言葉です。障害者などの価値を引き下げられた人々自身がコンピテンシー(適応力)を高めて価値のある役割を獲得すること,および,それによって社会的なイメージを高めることが必要とされている。これは社会的包摂の中心概念ではないですね。

選択肢4 正答。定義はこちら。価値の項目で「ソーシャルワーク専門職は, 不利益を被っている人びとと連帯して, 貧困を軽減することに努め, また, 傷つきやすく抑圧されている人びとを解放して社会的包含(ソーシャル・インクルージョン)を促進するよう努力する。ソーシャルワークの諸価値は, この専門職の, 各国別並びに国際的な倫理綱領として具体的に表現されている。」とされています。

選択肢5 誤り。選択肢の内容は, ミケルセンのノーマライゼーションの説明ですね。ちなみにソロモンは『黒人のエンパワメント』でエンパワメント概念を提唱した人ですね。

ちょっと分かりにくい問題でした。

今日はここまでー。

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