第26回-精神専門26

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問題 26 精神保健福祉士が行う相談援助に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 精神保健福祉士は, クライエントの利益を優先に考え, 保護的な配慮からクライエントに不利になる情報は伝えず, リスクを回避する。
2 パターナリズムは, 精神保健福祉士とクライエントの関係においては発生せず, 医師と患者の関係において発生するものである。
3 精神保健福祉士は, 専門職としての権力を持つため, クライエントの権利を侵害する可能性がある。
4 長期にわたる入院の場合, クライエントが退院して地域で暮らすことによって, かえってストレスを増大させることになるため, 入院継続が望ましい。
5 精神保健福祉士は, セルフヘルプグループ活動において, 積極的にグループワークの技法を用いて自立を促進させる。

精神保健福祉士の援助に関する問題です。これはサービス問題なので必ず解ける様にしておきましょう。

選択肢1 誤り。クライアントは自分自身の不利になる情報も含めて自己決定していくものだと思います。まず「保護的な配慮」というのが大きな間違いですね。

選択肢2 誤り。パターナリズムは「父性的温情主義」とも言われ, 強い立場にある者が, 弱い立場にある者の利益になるようにと, 本人の意志に反して行動に介入・干渉することをいいます。この関係は医師と患者のみではなく, 援助する側とされる側ではどの職種でもあり得る関係です。そのため, 常に自己の援助過程をモニタリングする必要があります。

選択肢3 正答。Y事件が示す様に精神保健福祉士は「加害者になりうる」権力を持ち得ますね。いくらクライアントと対等な気持ちで接しても専門職の意見は, 相手に一定の圧力を加えてしまうことも忘れてはいけませんね。

選択肢4 誤り。入院生活が長くなると, 院外の生活に不安を感じるクライアントも多くいると思いますが, そういう場合には地域移行等のサービスの情報提供等を通じて可能な限り地域へのモチベーションを高めてもらうのも援助の方法の1つだと思います。

選択肢5 誤り。セルフヘルプグループにおける援助の大前提は「側面的な支援」です。グループの開始期には集中的なサポーターとして協力する場合もありますが, 無理に自立させるというプロセスそのものが自立を阻害していると考える事もできるでしょうねー。

今日はここまでー。

 

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