第26回-精神専門27

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問題 27 医療機関における専門職に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 看護師は, 薬剤の投与や採血, 創部の処置などの医療行為については, 自身の判断で行うことができる。
2 作業療法士は, 医師の指示のもとに状態像の評価やリハビリテーションに取り組む, 業務独占の国家資格職種である。
3 臨床心理士は, 医師の指示のもとに心理検査や心理療法を実施する国家資格職種である。
4 薬剤師は, 医師等の処方菱に疑わしい点がある場合には, 自身の判断で調剤を変更することができる。
5 管理栄養士は, 傷病者に対する栄養指導並びに施設における給食管理及び施設での栄養改善上の必要な指導等を行う。

他職種に関する問題ですね。これは現場で働く以上最低限の知識と言えます。難易度は低めではないでしょうか。

選択肢1 誤り。看護師は保健師助産師看護師法によって規定されている国家資格です。研修が受けた看護師が緊急時の医療行為ができるように法改正が進んでいますが, 現在の段階は, 看護師の医療行為は医師の指示の元で行われるもので個別に判断はできません。医療行為は医師の業務独占資格ですからね。

ちなみによく話題になる注射等の医療行為を看護師が行うことについては, こちらが分かりやすく書いてあるので参考にしてみてください。もう1つちなみにですが, 准看護師については, 第6条において「都道府県知事の免許を受けて, 医師, 歯科医師又は看護師の指示を受けて, 前条に規定することを行うことを業とする者をいう。」とされています。看護師が厚生労働大臣指定の免許であるのに対し, 准看護師が都道府県知事指定, 指示の対象に看護師が追加されているのが特徴です。

選択肢2 誤り。作業療法士は, 理学療法士及び作業療法士法によって規定される国家資格です。精神科病院でも多く活躍していますね。かれらの行う作業療法は, 名称独占であって業務独占ではありません。名称独占とは, 作業療法士という名前を使って治療行為を行うことです。例えば作業療法士資格を所持しない僕が, 作業療法士を名乗って治療行為をすることはできませんが, 名称を使用しない限りは作業療法を行うことは自由です。例えば「じゅんさまのさわやか陶芸 (陶芸活動を通じて心身をリラックス)」みたいなことをするのは問題ありません。

精神保健福祉士も名称独占資格ですが, 特に作業療法士についてはダイレクトに診療報酬に結びつく可能性がありますねー。業務独占とは, 医師や弁護士などその資格を所持する人意外がその業務を行ってはならないという資格です。

選択肢3 誤り。これは非常にサービス問題ですね。臨床心理士は国家資格ではなく, 民間資格です。ホームページはこちら。臨床新理系の国家資格は日本にはまだ存在していないため, 現在各団体で調整している様子ですが, なかなかスムーズには行っていないようです。

選択肢4 誤り。薬剤師法に規定される国家資格です。

第二十三条 薬剤師は, 医師, 歯科医師又は獣医師の処方せんによらなければ, 販売又は授与の目的で調剤してはならない。
2 薬剤師は, 処方せんに記載された医薬品につき, その処方せんを交付した医師, 歯科医師又は獣医師の同意を得た場合を除くほか, これを変更して調剤してはならない

第二十四条 薬剤師は, 処方せん中に疑わしい点があるときは, その処方せんを交付した医師, 歯科医師又は獣医師に問い合わせて, その疑わしい点を確かめた後でなければ, これによつて調剤してはならない

と記載されています。簡単にいうと, 基本的には医師の指示通りに調剤しなさい, もし「おやっ」と思ったら医師に確認して相談しなさいということですね。薬剤師さんは, お薬のプロなので医師のミスなどに気づいたりすることもよくあるかと思います。また, クライアントへの服薬指導でも重要な役割をもっていると思います。

選択肢5 正しい。条文の通りでまちがいありません。管理栄養士は, 栄養士法に規定された国家資格です。ちなみに, 栄養士は都道府県知事指定, 管理栄養士は厚生労働大臣指定ですね。栄養士は, 養成施設を卒業すれば取得できるのに対し, 管理栄養士はさらに国家試験を受け, 高度な知識を技術を持っているとされるため, 栄養指導を行えば診療報酬に算定できます。

今日はここまでー。

今日はここまでー。

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