第26回-精神専門69

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問題 69 政令指定都市のP市精神保健福祉課では, 障害者福祉計画の策定に伴い, 精神障害者のニーズ調査と市民を対象とした精神保健福祉に関する意識調査を実施することになった。P市では, このような調査は初めてであった。ニーズ調査については, 精神障害者の実態を把握することができるように精神障害者保健福祉手帳所持者を対象とすることになり, 抽出した対象者にアンケート用紙を送付することにした。
次のうち, 今回実施することとなった調査方法として, 正しいものを1つ選びなさい。
1 縦断調査
2 自計式調査
3 悉皆調査
4 集合調査
5 訪問面接調査

これもよく出題される調査系の問題です。比較的難易度は低いのではないでしょうか。

選択肢1 誤り。選択肢の縦断調査の反対の言葉としては, 横断調査が挙げられます。横断調査は, 対象の時間経過による変化を意識せずに, 今現在の状況やニーズなどを調査する方法なので, 事例は横断調査と言えるのではないでしょうか。縦断調査は, 対象者の年度ごとの変化を比較できるのが特徴で, コーホート調査や, パネル調査に分類されます。コーホート調査は, 10代の意識の変化のように, 相手を特定しませんが, パネル調査は, 調査対象者の変化を見る事ができるのが特徴ですね。

選択肢2 正答。調査には, 回答者が自分で回答を記入する自計式調査と,調査員が回答を聴き取って記入する他計式調査(回答者からみて他人が行うという意味,他記式ともいう)の2種類があります。事例のアンケート調査は自計式調査にあてはまると思います。

選択肢3 誤り。調査は, その対象者全員に対して調査を行う悉皆調査と一部に対して調査を行う標本調査に分類されます。例えば, ある病院のデイケアに通うメンバーの意識調査を行う時には, 悉皆調査が妥当ですが, 事例の様に市町村単位の場合には全員に対して行うと費用や手間が非常に大きくなるので, 標本調査を行うのが一般的ではないでしょうか。

選択肢4 誤り。集合調査とは, 1つの場所に全員が集まって調査をする方法です。事例の内容はアンケートを送付しているので当てはまりませんねー。

選択肢5 誤り。訪問面接調査とは, 調査員が調査対象者を尋ねて行う調査です。選択肢2でいう他計的調査にもあてはまると思います。これも事例には当てはまりませんねー。

今日はここまでー。

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