第25回-精神専門26

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Cさん (53歳, 男性) は学生時代から入退院を繰り返し, 今回の入院も10年にわたっていたが, ようやく退院することになった。Cさんは身寄りもなく, 親の遺産があったがそれも尽きようとしており, 障害基礎年金が唯一の収入になる。退院後の住まいとしては, 担当のD精神保健福祉士の支援を受けてグループホームの入居を申し込んだ。就労経験はないが, いずれは働きたいという。高血圧と糖尿病の持病があって, セルフケアが心もとない。そこで, D精神保健福祉士はCさんの退院後の地域生活を支えるために, 様々な機関との間で支援ネットワークを構築しておく必要性を感じた。

次のうち, この場合, 退院後の生活に向けたケア会議への出席を求める行政機関の職員として適切なものを2つ選びなさい。

1 福祉事務所の生活保護を担当する現業員

2 障害者虐待防止センターの担当者

3 保健センターの保健師

4 精神保健福祉センターの精神保健福祉相談員

5 ハローワークの精神障害者雇用トータルサポーター

これまた事例問題です。やはり「適切なものを選べ」になっているので5つの選択肢の中から最も適切な2つを探す問題になります。これは難問かつ良問だと思います。

選択肢1 福祉事務所の現業員はいわゆる生活保護関連のケースワーカーさんですね。事例を見ると, 障害基礎年金が唯一の収入源と書いてありますので, グループホームの単身入居の場合は最低生活水準まで到達しない可能性があります。よってこの選択肢は正答に近いですね。ただ, 自立支援法改正による家賃補助の関係もあるので一応△くらいで置いておきましょう。

選択肢2 これは少し正答から遠いです。もちろん可能性はない訳ではありませんが, 事例からは虐待関連の情報は見受けられません。ちなみに障害者虐待防止センターは, 2011年の障害者虐待防止法において法的に位置づけられています。

選択肢3 保健センターの保健師さんは「健康相談」を行うことができます。事例の中に「高血圧と糖尿病の持病があって, セルフケアが心もとない。」と明記してあることからもこの選択肢は外せませんね。

選択肢4  精神保健福祉相談員についてですが, 僕は当初この選択肢が正解かなーと漠然と思いました。しかし, こちらのサイトでその業務と人員配置を考えると少し, 事例のケースについては選択肢から遠いような気がしますね。もちろん可能であれば参加してもらうことも考えれますけど, 上位2つには入らないでしょう。

選択肢5 これも可能であれば参加してもらうことはやぶさかではありませんが, 事例を見る限りには, 「いずれは働きたい」というニーズについては少し早いような印象を持ちます。

結構悩ませる問題が続きますね。今日はここまで。


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