第25回-精神専門27

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権利擁護に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。

1 セルフアドボカシーとは, 支援者が中立性を保ち, 人道主義に基づき社会的犠牲者の援護者となることをいう。

2 「精神障害者の生活は, その属する社会によって継続的に抑圧されており, また彼らを援助する専門家の行為によって抑圧はさらに助長されることが多い」批判したのはラップである。

3 エンパワメントアプローチを提唱したのは, ソロモンであり, カナダで重要な技法として発展した。

4 「私たちは『障害者』である前に人間だ」という主張は, アメリカからはじまったIL運動 (自立生活運動) でのスローガンである。

5 パーソナルアドボカシーでは, 発見機能, 調整機能, 変革機能, 対決機能よりも弁護及び代弁機能に特化して実践される。

アドボカシーに関する問題ですね。これも頻出なのでしっかり覚えねば。

まずアドボカシーについてですが, 定義としては, 「個人や集団やコミュニティーがエンパワーメントする(自分らしく生きてゆく力を高める)ことを支援する技術や方法のひとつ」ということになります。アドボカシーはソーシャルワークの技法の1つであると考えることができます。

選択肢1 これは間違っていますね。セルフアドボカシーは, 生活上の障害や困難のある当事者が、自分の利益や欲求、意思、権利を自ら主張し、自分自身、または他者のために権利擁護活動を行うことなので, 支援者はクライアントが自らアドボケイトできるように関わる姿勢が求められます。

選択肢2  これは正しい。ラップは, ストレングス視点のケースマネージメントを提唱した人物で, 支援によって結果的にクライアントがパワーレスに陥る可能性について言及しました。

選択肢3 エンパワメントとソロモンはセットで覚えないといけません。ただソロモンはその著書「黒人のエンパワメント」から見える様に, 社会的マイノリティで抑圧の対象であった黒人への支援からエンパワメント概念を生み出しました。となるとこれはカナダではなくアメリカが正しいですね。

選択肢4  これはこちらの問題で出てきました。ピープルファーストのスローガンですね。

IL (自立生活) 運動は, ロバーツがカリフォルニアのバークレー校に進学する時の運動が発展したものです。重度の障害者が, 家族や施設の職員に依存する生活から脱却し, 地域社会の中で自分の意志と責任にもとづいて生活できる条件を獲得していくことを目的とした, 障害者自身による主体的な運動を差します。

選択肢5  うーーん。ちょっと自信がありません。出題の意図はどこにあるんだろう??まあなんとなく特化という言葉がおかしいですのは分かるのですが。。。アドボカシーには大きく分けて, ケース (パーソナル)アドボカシークラスアドボカシーがあります。ケースアドボカシーはクライエントともに, 受ける権利がある公的扶助やサービスの利用ができるよう支援することなので, 設問中の発見機能, 調整機能, 変革機能, 対決機能ももちろん必要ですね。

ちなみに, クラスアドボカシーは, ある特定のクラスやグループ(社会階層や属性)に属する人すべて人々への利益につながるような権利擁護を指します。

ふむふむ。改めて勉強になりましたー。

 


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第25回-精神専門27 への2件のフィードバック

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