第26回–共通科目6

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問題 6 発達障害に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 学習障害(LD)の原因は, 不適切な学習環境である。
2 注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療には, 薬物を用いることがある。
3 自閉症(自閉性障害)の症状は, 通常6歳以降に出現する。
4 自閉症(自閉性障害)の多くは, 精神遅滞を伴わない。
5 自閉症(自閉性障害)の原因は, 親の冷たい養育態度である。

発達障害に関する問題もよく出題されます。設問は比較的簡単な内容だと思いますが, 「精神疾患と治療」の中ではもう少し詳しく出題されるのでこれを機会に覚えておきましょう。定義については文部科学省のこちらのページを参考 (というかコピペ)にしました。

選択肢1 誤り。学習障害とは, 基本的には全般的な知的発達に遅れはないが, 聞く, 話す, 読む, 書く, 計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものです。学習環境によって起こるものではありません。

選択肢2 正答。注意欠陥多動性障害とは, 年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力, 及び/又は衝動性, 多動性を特徴とする行動の障害で, 社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものです。また, 7歳以前に現れ, その状態が継続し, 中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されます。ADHDの多動については成人すると落ち着くことが多いとされているのですが, 学童期などに顕著な場合, 交通事故などの被害にあってしまうこともあります。中枢神経に作用する薬物療法の対象となります。

選択肢3 誤り。自閉症とは, 3歳位までに現れ, 1他人との社会的関係の形成の困難さ, 2言葉の発達の遅れ, 3興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり, 中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されます。これはすぐわかりますね。むしろ生まれながらに持った部分が3歳児までに発見されると考えればいいと思います。

選択肢4 誤り。このページを参考にしました。ここ10年ほど知的発達が正常であるアスペルガーや高機能自閉症が多く話題になっていますが, 実際は自閉症の多くは知的障害を伴ってます。

選択肢5 誤り。これはあきらかに誤りですね。ただこれらの障害が発表されるまでには, 母親に対してこのような偏見が普通にもたれていた時代もあります。

今日はここまでー。

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