第26回–共通科目8

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問題 8 マズローの人間の動機又は欲求理論に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 生理的欲求と承認欲求がかなり満足されたものになったら, さらに上位にある愛情を求めたくなると同時に, 所属への渇望が生じるようになる。
2 幼児の場合, 恐怖又は危険に対する反応が直接的かつ明瞭に出現するのは, 幼児はこの反応を抑制しないからだと考えられている。
3自己実現の欲求には, 資格保持や社会に示す自信といった自尊心にかかわるものと, 他者から受ける尊敬とか尊重と定義できる評判や名声, 他者からの理解などがある。
4 承認又は自尊心の欲求が満たされれば人は安堵感を覚え, その後に不安や不満, 又は新たな欲求が生じることはない。
5 音楽家は音楽を作り, 画家は絵を描くように, 人間は自分のなり得るものになりたいという欲求をもつ。これを承認の欲求と呼んでいる。

マズローはかなりよく出題されます。にしても二年連続で出さなくても。。昨年の問題はこちら。参考にしたのはこちらのページです。

マズローの欲求階層説は, 「人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて, 低階層の欲求が充たされると, より高次の階層の欲求を欲する」というのがミソです。マズローの考えた欲求の階層は低次なほうから順番に, 生理的欲求, 安全欲求, 社会的欲求(愛情とかつながりとか), 尊敬欲求, 自己実現欲求に分類されます。確かに, 水や食物がなければ危険を犯してでも, ご飯にありつこうとしますよね

選択肢1 誤り。生理的欲求と安全欲求の間違いですねー。ここらへんも良く出題されているのでしっかり覚えておいたほうがいいです。ちなみに愛情欲求というのは社会的欲求とか所属欲求とほぼ同じ意味で使われているみたいです。集団に属したり, 仲間から愛情を得たいという欲求です。

選択肢2 正答。他が間違っているので, 消去法でこれが正答であるのは間違いないと思いますが, これはマズローと関係あるのかなあー。全然自信がないのでこれについてもまた補足したいと思います。

選択肢3 誤り。他者からの尊敬や自尊心というのは尊敬欲求に分類されます。自己実現欲求は, 自分自身の持っている能力を発揮して成長したいとかそういう意味合いです。マズローは, ほとんどの人はこの段階までは到達しないと考えていました。つまり, 生理的欲求, 安全欲求, 社会的欲求, 尊敬欲求は, 自らに足りないものに対する欲求 (つまり欠乏欲求)である一方, 自己実現欲求は, すべて満ち足りた人にしか生じない最も高次な欲求と考えたわけです。

選択肢4 誤り。欲求は階層性を持っていますが, 不可逆的なものではないと考えられます。

選択肢5 誤り。これは選択肢3で説明した自己実現欲求ですね。

なんだかよくわからない問題でした。今日はここまでー。

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