第26回–共通科目18

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問題18 近代官僚制に関する次の記述のうち正しいものを1つ選びなさい。
1 官僚制組織は必ずしも規模が大きいとは限らないので, 明文化された規則がない。
2 官僚制組織においては, 権限のヒエラルヒーが明確であるため, 上司と部下とのパーソナルな関係が重視される。
3 官僚制は形式合理性を重視するがゆえに実質合理性を失って, 逆機能的になることがある。
4 官僚制は組織目的を効率的に達成するために, 職務を専門化することなく, 口頭での連絡を重視する。
5 官僚制は職務が平等に配分され, 権限の上下関係もない水平的な組織である。

あれー。一年の間に官僚制の問題が二問出てる。。。こちらの問題も確認ください。

官僚制の特徴を3つ抜粋。
1) 標準化 →形式的で恒常的な規則, 業務の公平無私な遂行。
2) 階層性→権限のヒエラルキーが明確で指揮命令系統を持つ。
3) 没人格性→感情を排除されたそれぞれの組織構成員が規則や手続に従って行動する。

選択肢1 誤り。官僚制においては, 形式的な恒常的な規則が明文化されるのが基本です。行政の行っている施策などもこれに当たりますね。

選択肢2 誤り。権限のヒエラルキーってのは簡単に言うと上意下達のシステムです。上司と部下 (公務員で言えば上級官庁と下級官庁) の階層秩序があるので, パーソナルな関係が持ちにくいですね。

選択肢3 正答。これはマートンの「官僚制の逆機能」の説明です。官僚制は, 元々は合理的な管理・支配のためのシステムとして発達した一方, 上記の特徴から柔軟な対応に欠けているため,さまざまな予期しないマイナスの効果(逆機能)もあります。これはルールに縛られて動けないようなことを示します。実社会でも良くありますよね。

選択肢4 誤り。官僚制は合理的なシステムなので, それぞれの職務の専門化が起こります。行政官庁に言って見るとよくわかりますが, それぞれの担当窓口がありますね。また, それらの連携は書面によってなされます。

選択肢5 誤り。権限のヒエラルキーがあるので, 上下関係はもちろんあります。仲の良い悪いではなくシステムとしてそうなっているという理解が必要ですね。

この問題もサービス問題だったと思います。今日はここまでー。

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