第26回–共通科目38

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問題38 事例を読んで, 社会福祉協議会のJ福祉活動専門員の活動に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
V市では, 前年に他県で起きた震災による避難者を市内にある公営住宅で受入れている。避難者は帰郷する見通しもない中で心身のストレスや不安が大きく, 極めて困難な状況に置かれている。V市社会福祉協議会のJ福祉活動専門員は, 行政とも相談しながら支援活動に取り組むこととした。
1 避難者の負担になるので, 自治組織づくりへの働きかけは控えて, 既存の町内会・自治会に加入するように避難者に呼びかける。
2 避難者に対するV市や周辺での就労を支援することは, 帰郷を妨げることになるので, 帰郷に向けた支援を中心に据えることにする。
3 社会福祉士会や民生委員協議会医師会, 弁護士会などと連携し, 避難者の個別ニーズの把握や相談に応じることにする。
4 避難者対象のサロンなどの居場所づくりをしても, 参加者が少ないと思われるため, 日常的な取組よりも災害ボランティアも参加できる大規模なイベントを企画する。
5 プライバシーを尊重するため, 避難者の居宅への訪問は避ける。

この事例問題もサービス問題なので取りこぼしのないようにしたいところです。

選択肢1 誤り。「他県で起きた」という記述からも多くの避難者は元々はその地域に住んでいるわけではありません。もちろん, 既存の自治組織との連携は不可欠ですが, 避難者同士の横のつながりもネットワークの1つだと思います。

選択肢2 誤り。帰郷するかどうかの選択は, 避難者それぞれの思いもあると思います。ニーズが明らかになっていない状況で, 一概に帰郷というのもおかしいですし, V市での就労がすなわち帰郷を妨げるとは考えられませんね。

選択肢3 正答。一口に避難者といっても個別の抱えている福祉ニーズは多岐に渡ります。専門家も含めて個別のニーズに対応できるシステム作りをすることは必要な援助の1つだと思います。

選択肢4 誤り。事例の情報だけでは判断しにくいですが, 避難者の中には仕事が見つからない人もいるかもしれないし, 元々の地域で作られていたコミュニティが寸断されている人も多いと思います。ここで, サロンや居場所作りをすることは有用な援助の1つだと思います。

選択肢5 誤り。避難者 (特に単身)の多くは, 突然周囲に知り合いのいない場所に居住せざるを得ない状況に置かれたので, 常に孤立や孤独の危険に晒されていると思います。プライバシーへの配慮はもちろん行いながらも訪問活動を行うべきだと思われます。

今日はここまでー。

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