第26回–共通科目43

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問題43 消費税に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 消費税は, 消費一般に広く公平に課税される直接税である。
2 消費税の納税義務者は消費者である。
3 現行の消費税の収入は, 地方交付税の財源の中には含まれていない。
4 現行の消費税率5%は, 国税の消費税4%と地方税の消費税1%を合わせた税率である。
5一般会計に占める税収の割合をみると, 所得税より消費税の方が高い。

珍しいタイプの問題ですが, 興味の有る人には比較的簡単だったかもしれません。僕は消費税が導入された年が小学6年生だったので, 毎日ニュースで繰り返しされていたので記憶に残ってるいますねえ。。ただ, 大学新卒の人にとっては消費税はもの心ついた頃からあるものなんだよなあ。。世代のギャップにおびえつつ解説していきます。

選択肢1 ・2 誤り。「公平」かどうかはさておき, 消費税は直接税ではなく間接税です。このページが非常に参考になりました。

直接税とは税金を納める人と, その税金を実質的に負担する者とが同じである税金ですね。例えば, 所得税とか法人税は直接税に分類されます。さきほどの公平かどうかという観点では, 直接税は垂直的公平という意味で優れているとされます。これは, 儲かってるヤツから多めに税金をとるというように負担能力に応じて税額を変えれるという意味で公平という意味ですね。逆に間接税は, 酒税やたばこ税, 消費税などのように, 税金を支払う人とその税金を負担する者とが異なる税金です。消費税などは, 我々消費者が一旦商店に支払った後に, その商店が代わりに税金を納付しますよね。だから, 商店にとっては自らが値上げをした訳でもないのに, 値上げしたように見えてしまうので総額表示とか税抜き表示とかいろいろ工夫してるんだと思います。

この間接税は公平という観点でみるとどうでしょうか?先ほどの直接税の場合, 「がんばって儲けても税金が増える」という状況だと高所得者にとっては不公平に感じるかもしれませんねえ。そういう意味では, 「所得に関係なく使う量に応じて税金がかかる」間接税は水平的公平という意味で優れているとされます。

税制はこの直接税と間接税を組み合わせて行われていますので改めて確認しておきましょう。

選択肢3 誤り。税制は, 国税地方税に分類されます。所得税や法人税, 相続税などなどは国税ですね。逆に地方税には, 都道府県民税, 市町村民税やタバコ税, 固定資産税などが挙げられますね。

消費税のうち4%分は国税の中の間接税として徴収されます。ただ, このうち29.5%が地方交付税として分配されます。そのため選択肢は誤りですね。結局交付税として分配されるんだったら, 最初っから地方税にしてしまえばいいじゃん!!って感じもしますが, 地方交付税には, 地方公共団体間の財源の不均衡を調整し, すべての地方団体が一定の水準を維持しうるよう財源を保障する見地があります。例えば消費税の収入を全て都道府県単位にしてしまうと, 人口が多くて都市化している自治体でばかり税収が増えるという不均衡が起こります。そのため, 国税として国が代わって徴収し, 一定の合理的な基準によって再配分するという方法を取る訳ですね。たばこ税も同様な方法をとっているとおもって大丈夫だと思います。

選択肢4 正答。選択肢3の中で「消費税のうち4%」と記載していますが, 残り1%は地方消費税として都道府県で徴収されます。この費用は50%が市町村に交付されていることにも注意が必要ですね。この問題は「現行の5%」と書かれていますが, H26年4月には8% (国6.3%, 地方1.7%)に上がっていますし, H27年10月には10% (国7.8%, 地方2.2%)に変更されるので明らかに時代に沿ってない問題だと思います。

選択肢5 誤り。こちらのページのグラフを参考にしてください。消費税ができて以来, 所得税の方が一環して高いですね。所得税は直接税なので, ある程度の安定した税収が見込まれます。一方, 所得税を増やすと給与がダイレクトに減るので購買意欲が減りますよね。結果として経済に大きな影響を及ぼす可能性があります。一方, 消費税は購買意欲自体にはそこまで影響はありませんが, 景気が冷え込むと税収に影響が出るので比較的不安定な財源であることも覚えておきましょう。

(追加) H26年の会計を見ると, この傾向が変わって消費税の方が高くなっています。これは, H26年4月からの税率アップが影響している様子です。来年度以降の出題の可能性もあるのでチェックしておきましょう。

今日はここまでー。

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