第26回–共通科目44

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問題44 「社会保障・税一体改革」の内容に関する次の記述のうち, 適切なもの2つ選びなさい。
1 生活保護費の国庫負担率を, 4分の3から2分の1に変更するという内容が含まれている。
2 介護保険制度の財政基盤を強化するために, 保険者を市町村から都道府県に移行させるという内容が含まれている。
3 安定財源を確保することにより, 基礎年金の国庫負担2分の1を恒久化するという内容が含まれている。
4 消費税率の引上げによって得られた財源は, 社会保障のほか, 教育及び防災関係の政策に充てられることになっている。
5 子ども・子育て支援を含めて, 「全世代対応型」の社会保障制度の構築を目指している。

社会保障・税一体改革については今後の出題される可能性が高いので詳しくみておく必要があります。社会保障と税の一体改革は, 社会保障の充実・安定化と, そのための安定財源確保財政健全化の同時達成を目指すものです。同大綱では「安心で希望と誇りが持てる社会の実現を目指して」をキャッチフレーズに社会保障と財源, 税制度に関する改革について明記してありますね。この大綱, いいことはたくさん書いてあるのですが, とにかく情報が多くて混乱。なんでこんなに分かりにくくできているのでしょうかねえ。

選択肢1 誤り。 貧困・格差対策の強化として, 重層的セーフティネットの構築が提言されています。すべての人の自立した生活の実現に向け, 就労や生活の支援を行うとともに, 低所得の年金受給者への加算など, 低所得者へきめ細やかに配慮を行い, すべての国民が参加できる社会を目指すとしています。生活保護の国庫負担率の変更については直接関係ありません。

選択肢2 誤り。これは元々の介護保険の理念と逆行しているので, 誤りと分かった人も多そうですね。介護については「地域の実情に応じた医療・介護サービスの提供体制の効率化・重点化と機能強化」と記されています。財政健全化のため保険者を市町村から都道府県への変更する方向性が示されているのは国民健康保険です。

選択肢3 正答。年金制度については, 「所得比例年金」と「最低保障年金」の組み合わせからなる一つの公的年金制度にすべての人が加入する新しい年金制度の創設について取り組むという方向性があります。ただ, そこまでの抜本的な改正までの現行制度の改善点として, 年金機能強化法が成立し, 1) 基礎年金国庫負担2分の1の恒久化, 2) 最低保障機能の強化 , 高所得者の年金給付の見直し 等が盛り込まれています。

選択肢4 誤り。こちらのページのスクリーンショットです。

これを見ると消費税の増収分は, すべて社会保障費に使用されることが明記されています。税収の1%は社会保障の充実にあてられ, 残りの4%は社会保障の安定化にあてられます。

選択肢5 正答。給付面で, 子ども・子育て支援などを中心に未来への投資という性格を強め, 全世代対応型の制度としていくとともに, 負担面で, 年齢を問わず負担能力に応じた負担を求めていくなど制度を支える基盤を強化していくことが明記されています。

ふう難しかった。今日はここまでー。

 

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