第25回-精神専門29

Pocket

精神保健福祉活動における多職種連携に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。

1 マルチディシプリナリ・モデルは, チームを構成する専門職の間に階層関係があり, 各専門職のチーム内での役割は固定的であり, 相互作用性も小さい所に特徴がある。

2 インターディシプリナリ・モデルは, 役割固定性がいっそう低く, 各専門職の役割代替が容認され, 意図的に役割解放が行われる。

3 トランスディシプリナリ・モデルは, メンバー間の階層性や役割の開放性がなく, 機関間の相互作用性が大きくなるという特徴がある。

4 包括型の地位生活支援プログラム (ACT)においては, 危機的状況に介入することがおおいため, 医師の役割が優先される。

5 多職種チームにおけるメンテナンス機能とは, チームの目的達成の課題を遂行してくことである。

難問な雰囲気ですが, チームに関する問題は今後出題傾向が増えそうです。

こちらの論文が参考になりました。

まずは, 舌を噛んじゃいそうなカタカナの説明から。大事なのは, 状況に応じたチームの形を種々選択していくことでそれぞれのチームモデルにメリットとデメリットがあることを覚えておく必要があります。

マルチディシプリナリーチーム (権威モデル)・・・チームのメンバーは互いに協力するが, 本質的には別々に働く異なる分野の専門職で構成される集団。各専門職は個別の治療やケアを行い, それぞれの目標も各専門職が個別に決定する。そのためそれぞれの実践は階層性を持ち, 相互作用は小さくなり, 役割も解放されません。例えば手術などはこのタイプでないと難しいですね。

インターディシプリナリーチーム  (コンセンサスモデル)・・・メンバー間に階層性はなく, 相互作用が高いチームです。もちろん, それぞれの役割はある程度は固定されていますが, 開放性が高い状態になります。精神科だと, デイケアとかがイメージしやすそうですね。こういうチームでは, それぞれの方向性を一致させるためケースカンファレンスなどが重要になります。

トランスディシプリナリーチーム  (マトリックスモデル)  ・・・メンバー間に階層性はなく, 役割が解放され総合作用が高いチームです。それぞれのメンバーが高いレベルでフォローしあうことができます。ACTなどが目指すのがこれにあたるのではないかと思います。

よって選択肢1が正答ですね。

選択肢2 は, 「意図的に役割解放」というところが引っかかりますね。各専門性の枠内で行動しつつ, 場合にとってそれを超えた活動をすると理解しておきましょう。

選択肢3 は, 「役割の開放性がなく」というのが間違いです。

選択肢4は, 先ほどの説明にもありましたが, ACTはトランスディシプリナリーチームであると考えると, 医師の役割開放性を考えれば誤答であると考えられます。

選択肢 5  多職種チームの機能には,

1 タスク機能・・・目的達成, 課題遂行のための機能
2 メンテナンス機能・・・チームを維持・強化・関係補修のための機能

が挙げられます。設題はタスク機能の説明になるので間違っていますねー。
今日はここまでー。

 

カテゴリー: 第25回精神専門科目, 精神保健福祉相談援助の基盤 パーマリンク

コメントを残す