第25回-精神専門34

Pocket

半年後に退院したが, 薬を飲むとつらいばかりで, 頭もぼ-つとして考えることもできない。また, 正体不明の声が「薬を飲むな」と強く言うため, その後, 外来受診はせず, 服薬も全くしていなかった。父親が3年前に亡くなり, 今は66歳の母親と二人暮らしをしているが, Hさんは正体不明の声の命令によって食事をさせてもらえなかったり, 家の中で過激な運動をさせられたりすることが本当につらくて, このままでは死んでしまうと思うようになってきた。Hさんへの対応に困るようになった母親は, 夫の介護相談をしていた地域包括支援センターに相談した結果, 訪問をして母親だけでなくHさんにもかかわってくれる専門機関を紹介された。その機関のJ精神保健福祉士は, 家庭訪問を行い母親の相談に乗る傍らHさんとかかわるチャンスを探った。 (問題34)

問題 34 次のうちJ精神保健福祉士が所属していると考えられる機関として, 適切なものを1つ選びなさい。
1 精神科病院
2 地域包括支援センター
3 福祉事務所
4 保健所
5 就労継続支援事業所

ちょっと難しいですね。この問題も「適切なもの」と書いてあるのでどれも可能性としてはあるものの, 最も正答に近いものを選ぶと考えればいいのではないかと思います。

選択肢1の精神科病院は, 訪問看護往診を行っている可能性もあるので, 可能性は十分にあります。たた, 事例を読む限りは本人は医療機関に抵抗がある様子です。未治療の期間も長いですし, いきなり精神科病院のPSWが来ると抵抗を強めてしまうかもしれませんね。

選択肢2の地域包括支援センターは, 地域包括支援センターは, 介護保険法で定められた, 地域住民の保健・福祉・医療の向上, 虐待防止, 介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関なので, 母親の相談にはいいと思いますが, Hさんの援助という意味では少し遠い気がします。そもそも事例の中で「地域包括支援センターから紹介された専門機関」と書いてあるのに, そこが地域包括支援センターって意味がわかりませんね。この選択肢ひどいと思います。

選択肢3の福祉事務所は, 社会福祉法に規定され, 福祉六法(生活保護法, 児童福祉法, 母子及び寡婦福祉法, 老人福祉法, 身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法)に定める援護, 育成又は更生の措置に関する事務を司る第一線の社会福祉行政機関です。もちろん, 「精神に関することはお断り」ということはありませんが, 選択肢からは少し遠いでしょう。

選択肢4の保健所 これが一番正答に近いと思います。保健所には, 医師や看護師, 保健師さんもいますし, 精神保健福祉士も配置されています。高齢である母親にも関わることもできる上に, 医療機関としての機能も持ち合わせています。また, 選択肢1 にある精神科病院よりも抵抗が少ないのではないかと考えることができますね。

選択肢5の就労継続支援事業所には精神保健福祉士がいる場合も多いですが, これはまだ先の話でしょう。

今日は2問で打ち止めーです。

誤字たくさんありそうだなー。

 


カテゴリー: 第25回精神専門科目, 精神保健福祉相談援助の基盤 パーマリンク

コメントを残す