第27回–精神専門25

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問題25 援助の理念に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 社会福祉法では, 福祉サービスを, 法の下の平等を旨として, 利用者が有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるように支援するものとしている。
2 バイステック (Biestek, F.) は, 「受容」を, 建設的及び破壊的な態度や行動なども含めて, クライエントをありのままの姿で受け止めることとした。
3「障害者差別解消法」は, すべての国民が障害の有無にかかわらず, 等しく基本的人権を享有する個人として尊重されるものであるという理念を定めたものである。
4「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」では, 本人の同意なく入院が行われる場合の, インフオームドコンセントを免除している。
5 マーゴリン (Margolin, L) は, 公民権運動に基づいて, 差別や偏見により人権を損なわれている人々への援助に, エンパワメントを位置づけた。
(注) 1「障害者差別解消法」とは, 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
2「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」とは, 2013年 (平成25年) に成立した「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律」に基づき策定されたものである。

うーむ。消去法で解けたかなあ。。

選択肢1 誤り。第3条では, 「福祉サービスは, 個人の尊厳の保持を旨とし, その内容は, 福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され, 又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして, 良質かつ適切なものでなければならない。」としています。選択肢は介護保険法に書かれている理念ですね。

選択肢2 正答。バイステックの7原則にある受容は許容とは違います。利用者の破壊的な衝動も含めて一度援助がありのままを受け入れるというのが受容ですね。

選択肢3 誤り。選択肢は障害者基本法の理念ですね。障害者差別解消法の目的は「全ての国民が, 障害の有無によって分け隔てられることなく, 相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け, 障害を理由とする差別の解消を推進すること」です。

選択肢4 誤り。「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」とは, 精神保健福祉法の改正によって厚生労働大臣が定めることが決められた指針ですね。この指針の原本はこちら。この指針では「精神障害者本人の同意なく入院が行われる場合においても, 精神障害者の人権に最大限配慮した医療を提供すること。」とあります。まあこれは知らなくても解けたかなあ。リンク先は今後も出題される可能性が高いのでしっかり確認しておいてください。

選択肢5 誤り。選択肢はソロモン黒人のエンパワメント」の説明だと思います。マーゴリンは「ソーシャルワークの社会的構築」において, ソーシャルワーカーとクリアアントとの間に権力支配の問題を述べた人です。この本は一度読んでみたいなあ。

さあ今日もあと二問!!

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