第27回–精神専門40

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問題40 精神科医療機関におけるリハビリテーションに関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 発病後間もない時期の患者に対しては, リハビリテーションの実施計画を作成することよりも障害年金の取得を優先させる。
2 入院後間もない時期の患者に対しては, リハビリテーションの開始について, 本人の希望よりも客観的な必要性を優先させる。
3 急性症状消退後間もない患者に対しては, 時間を限定した個人プログラムよりも多人数が参加する決められたプログラムに参加することを優先させる。
4 精神療養病棟に入院中の患者に対しては, 就労移行のためのプログラムよりも日常生活の質の改善へ向けたプログラムを優先させる。
5 施設症 (institutionalism) の状態の患者に対しては, リハビリテーションよりも向精神薬による薬物療法を優先させる。

精神科リハビリテーションに関する問題です。よく出題されますが, この問題は比較的難易度は低そうですね。

選択肢1 誤り。精神科に限らず,  リハビリテーションは発病後間もない時期からはじめるのが一般的です。また, 発病後まもないのであれば障害年金はそもそも申請できませんね (初診日から1年6ヶ月)。

選択肢2 誤り。リハビリテーションのどの段階においても「本人の希望よりも客観的な必要性を優先」という時期はありません。

選択肢3 誤り。むしろ逆だと思います。急性症状消退後間もない患者でももちろんリハビリテーションの対象になりますが, 集団にうまくなじめなかったり, 刺激に敏感になっている場合もあるので, 時間を限定した個人プログラムから段階的にリハビリテーションをはじめることが多いのではないかと思います。

選択肢4 正答。「精神療養病棟に入院中」というくくりだとここまで言いきっていいのかなあとも思いますが (療養病棟にいる患者さんが全員日常生活が困難とは限りませんし) , 今回の問題では一番回答に近いのではないかと思います。

選択肢5 誤り。施設症とは, 入院期間の長期化によって生活能力が低下してしまい, 無関心や無気力などに陥り, 退院して社会に戻る意欲をなくした状態をいいます。この症状が向精神病薬で改善するわけではありませんね。

今日はここまでー。

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