第27回–精神専門44

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問題44 ある朝, デイケアメンバーのMさん, Aさんの二人がスタッフルームを訪れ, 「昨日, 全体ミーティングの時, みんなで遊園地に行こうと提案したら, Bさんたちが遊びの計画はダメだと言った。僕たちの意見に賛成した人たちもBさんの迫力に負けたみたいで何も言えなかった。そんなミーティングだったら僕たちはもう出ません」とC精神保健福祉士に話した。C精神保健福祉士は, 「そうでしたね。昨日は時間の制約があって十分に意見交換ができませんでしたね。次回の全体ミーティングで, もう一度お二人の提案の趣旨を話し, その上でBさんたちの意見も聞いてみましょうよ」と話した。
次のうち, C精神保健福祉士が次回の全体ミーティングで用いるグループワーク の原則として, 適切なものを1つ選びなさい。
1 参加の原則
2 個別化の原則
3 制限の原則
4 葛藤解決の原則
5 受容の原則

グループワークの原則に関する問題です。コノプカの14原則が有名ですね!この問題はすべての選択肢が間違っているわけではないと思います。その中で最も適切なものを選ぶという問題でしょうね。

選択肢1 誤り。参加の原則は, メンバーが各自の能力の段階に応じて参加するよう励まし,またその能力をさらに高めることができるよう援助することを示します。これは事例とはちょっと遠そうです。

選択肢2 誤り。グループ内での個別化の原則は,  グループに参加する個人の独自性, 相違点を認識し,それにしたがって行動することを示します。これは事例とは離れてはいませんが, トラブルが起こっている時に限らない原則なので正答とは言えないと思います。

選択肢3 誤り。制限の原則は, 各個人およびグループ全体の状況に対する診断的評価に基づいて,制限を巧みに用いてゆくということを示します。これは利用者が自分や他人の生命を脅かしたり, 人間関係を破壊する行動をとったりすることがないよう保護するという意味合いですね。少し悩みましたが,今回の事例で制限が必要な段階かどうかは意見が分かれる所だと思います。

選択肢4 正答。葛藤解決の原則は, メンバーが葛藤解決のためのよりよい方法を経験するように援助することでメンバー自身の, またグループ内での葛藤に対して,メンバーが自分たちで解決できる方法を見出せるように導くことを目的としています。事例に最も近いのではないでしょうか。

選択肢5 誤り。受容の原則とは, 各個人をその個人独特の長所・短所とともに純粋に受け入れることを示します。もちろん, 事例でも合致しますが, 選択肢4のほうがより正答に近そうですね。

カテゴリー: 第27回精神専門科目, 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 パーマリンク