第27回–精神専門63

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問題63 1993年 (平成5年) に改正された障害者基本法に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 国際障害者年の理念を実現するために改正された。
2 精神衛生法も精神保健法に改正された。
3 障がい者制度改革推進本部が設置された。
4 精神障害者保健福祉手帳が規定された。
5 福祉サービスの窓口が市町村になった。

これも基本的な内容の問題だと思います。歴史的な経緯をしっかり覚えていれば解けたのではないでしょうか。

選択肢1 正答。これが正答です。「完全参加と平等」をスローガンにした国際障害者年 (1981) は各国に施策に影響を与えました。1983ー1992  国連障害者の10年を経て, 日本では身体障害者と知的障害者を対象した心身障害者対策基本法に精神障害者を加え, 障害者基本法が交付されました。

選択肢2 誤り。精神衛生法が精神保健法に改正されたのは1987年で障害者基本法よりも前です。これは宇都宮病院事件などの影響を色濃く受けた改正でした。

選択肢3 誤り。障がい者制度改革推進本部は, 障害者権利条約の締結に必要な国内法の整備を始めとする我が国の障害者制度の集中的な改革を行うため, 内閣に設置することとしたものです。

選択肢4 誤り。精神障害者保健福祉手帳は, 精神保健福祉法が成立した時にできた規定です。これはそれまで医療の対象であった精神障害者が障害者基本法によって福祉の対象にもなったということを受けて精神保健法から精神保健福祉法(1995)に改正された時に出来上がった制度ですね。

選択肢5 誤り。福祉サービスの窓口が市町村に一元化されのは障害者自立支援法成立時です。障害者基本法は, 障害のある人の法律や制度について基本的な考え方を示すもので具体的な福祉サービスについては障害者総合支援法に規定されています。

今日はここまでー。やっぱ3問となるとちょっとキツいですねー。

 

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