第27回–共通科目27

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問題27 受益と負担に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。
1 福祉サービスの利用者負担には, 利用者と非利用者との公平を確保する機能がある。
2 財務省は, 社会保障負担額と財政赤字額の合計が国民所得に占める割合を国民負担率として公表している。
3 社会福祉基礎構造改革以前は, 福祉サービスを利用した者からの費用徴収額はサービスの利用量に応じて決められていた。
4 所得控除は, 所得税の課税対象から最低生活費を除く方法であり, 実際の税負担軽減効果は低所得者に有利に働く。
5 公費負担 (税) 方式は, 受益と負担の対応関係が社会保険方式より明確である。

これはちょっと難しかった。負担の考え方をしっかり分かっていないと難しい。。

選択肢1 正答。「機能」とまで言っていいのかはあまり自信がありませんが, これが正答だと思います。例えば, 医療費は3割負担ですが, これが無料だった場合, みんな些細な体調不良でもすぐに病院に行っちゃいますよね。また, 医療費を払っていて超健康の場合は少し払い損に感じる人もいるかもしれません。そういう意味では, 利用者負担というのは利用者と非利用者の公平性をある程度担保する方法と言えるのではないでしょうか。

選択肢2 誤り。国民負担率とは, 租税負担率と社会保障負担率の合計のことで, 国民の公的負担の程度を示すおおよその指標になります。「財政赤字額」は入りようがないですね。

選択肢3 誤り。サービスの利用量ではなく, 能力に応じたという意味で所得に応じて決められていました。社会福祉基礎構造改革によってサービスの利用料に応じて負担が決まる応益負担が導入されました。

選択肢4 誤り。所得控除は, 所得税額を計算するときに各納税者の個人的事情を加味するための方法です。控除は, 雑損控除, 医療費控除, 勤労学生控除, 配偶者控除, 配偶者特別控除, 扶養控除, 基礎控除などなどです。つまり, 妻や子を扶養していたり医療費負担が大きい世帯の状況に応じて所得税を減免しようとする制度だと思えばいいですね。最低生活費はあまり関係ありません。

選択肢5 誤り。社会保険方式は, 保険料を主要財源とし, 拠出を要件として給付を行う一方, 税方式は, 公費を財源とし, 拠出を要件とせず給付を行うものです。両者を比較すると, 社会保険方式のほうが, 「自分がいざとなった時のために負担しておく」という意味で, 受益と負担の対応関係があると言えるのではないでしょうか。

今日はここまでー。

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