第25回-精神専門2

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問題2  次のうち, 心因が主たる原因とされる精神疾患として, 正しいものを1つ選びなさい。

1  ピック病   2  統合失調症  3  小児自閉症  4  双極性感情障害  5  乖離性(転換性)障害

今日は精神疾患とその治療の第2問。

この問題は解いておきたい問題だと思います。精神疾患は大きく分けて「心因性」「内因性」「器質性・症状性」に分類できます。結構荒っぽい分類だと,

1  心因性  → ストレスによって起こるもの。不安神経症, 心気症, 強迫神経症, パニック障害, PTSDなど

2  内因性 → 原因不明の何らかの脳の神経伝達の障害 (素因)にストレスが加わって発症するもの。統合失調症, 双極性感情障害など

3 器質性・症状性 → 脳そのものの器質的病変や脳以外の身体疾患のために, 脳が二次的に障害を受けて何らかの精神障害を起こすもの。認知症, 脳腫瘍など。

これから受験される方は, 必須項目です。

さて, 選択肢を順番に見て行きましょう。

1 ピック病は, 若年性認知症(アルツハイマーよりも若い段階で出現することが多い)の1つで, 脳の委縮によって情動のコントロールが難しくなるなど, 行動障害が症状として現れやすい病気です。この病気についても頻出なので注意が必要ですね。よって選択肢の1は間違い。正しくは, 器質性精神障害です。

2 統合失調症についてはあまりにも頻出なので, ここでは説明は割愛しますが上述したように, 内因性精神障害に分類されます。ストレス脆弱性モデルは有名ですね。

3 小児自閉症は発達障害の1つです。これは精神疾患というよりも成長・発育の段階に応じた個別指導を中心とした関わりが重要になるものですね。発達障害については近年頻出なのでアスペルガー症候群や, 高機能自閉症, 学習障害などなど詳細な部分まで覚えておく必要があります。

4 双極性感情障害 はいわゆるそううつ病のことと覚えても大丈夫だと思います。ICD–10のカテゴリーでは感情に関わるもの全般を感情障害とし, 詳細に分類しています。ここも非常に良く出る部分なので詳細に覚えておく必要があります。内因性精神障害に分類されます。

5 この選択肢の解答は, 乖離性(転換性)障害になります。乖離性障害は, 古くはヒステリーなどと呼ばれていたものです。極度のストレスに晒された結果, 記憶が途切れたり, 気絶してしまったり, 様々な症状が出現します。フィクションの世界でよくみられる多重人格などは, 解離性同一性障害と言われます。どのような症状がでるにせよ, これはストレスから自分を切り離そうとする一種の防衛規制だと考えられています。

一日一問かなり大変ですね。。一年かかってしまいそうです。

 


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