第25回-精神専門42

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問題42 精神科専門療法に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 入院患者に対する作業療法では, パラレルな場を設定し, 共通課題に取り組む中で対人交流の技能を高める。
2 入院患者に対するレクリエーション療法では, 誰でも参加できるプログラムを用い, 集団での秩序だった行動を身につけきせる。
3 認知行動療法では, 主観的な体験に解釈を加えることで洞察を促し, 病的な行動の修正を図る。
4 社会生活技能訓練 (SST) では, 認知行動療法の技法を用い, 宿題を課すことにより練習で得た技能の般化を目指す。
5 集団精神療法では, 司会者が何を言っても良いと宣言し, 参加者の自由な意見交換を促す。

精神科専門療法に関する問題です。設問は比較的よく出題される選択肢で構成されていますが, 1つ1つの選択肢の間違っている所がなかなか明確に分からなくて不安にさせる問題ですね。正答率は低かったのではないでしょうか。

選択肢1 ググってきました。「ひとと集団・場」山根寛 (2000) によると, パラレルな場とは,「場を共有しながら人と同じことをしなくてもよい人の集まりをいう。暖かで柔らかな雰囲気に包まれ, いつだれが来ても同じように受け入れてもらえる場は,安心と安全感をもたらし緊張や自閉の殻をとき,クライエント自らが病気のことや自分の生活を見いだすことができる。」とあります。精神科作業療法では, 作業棟にいってそれぞれ別の作業をしながら共通の話をしたりすることが多いですね。もちろん共通課題を行う場合もありますけど。

選択肢は「共通課題に取り組む中で対人能力」なっているので間違っていると考えられます。

選択肢2 レクリエーション療法は, 自発性を増進, 情緒開放, 対人関係の改善などが目的で, 集団生活の秩序というのは誤りです。

選択肢3 認知行動療法は, クライエントの不適応状態に対して, 学習理論をはじめとする行動理論や行動変容の諸技法を用いて, 不適応な反応を軽減するとともに, 適応的な反応を学習させていく治療法です。選択肢のどこか誤りかについては悩みましたが「洞察」という部分ではないでしょうか。洞察は, 患者の潜在意識にアプローチするので精神分析療法でよく使われる技法です。

選択肢4 これが正答です。SSTはリバーマンによって確立された認知行動療法の1つで, 日本においては1994年に「入院生活技能訓練療法」として診療報酬化されています。

基本的な技法としては, (1)モデリング→(2)強化→(3)シェイピング→(4) 般化 が挙げられます。ロールプレイの中で練習したことを宿題として出すことで技能の般化を目指します。SSTについてはかなり頻出なのでチェックが必要ですね。

選択肢5 集団精神療法は自由な雰囲気も大事ですが, いくつかのルールがあります。そういった意味では「何を言ってもいいという宣言」は少し間違っているような気がしますね

今日はここまで。気づいたら42問まで終わってました。年度内に専門科目は終わらせれそうですーー。


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