第25回-精神専門43

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問題 43 精神科チーム医療に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。

1 精神保健福祉士法では, 精神保健福祉士はその業務を行うに当たって, 精神障害者に主治の医師があるときは, その指示を受けて行うこととされている。
2 精神障害者アウトリーチ推進事業における職員配置は, 保健師, 看護師 精神保健福祉士のいずれも配置することとされている。
3 精神科訪問看護・指導料は, 精神保健福祉士が実施した場合にも, 診療報酬を請求できる。
4 医学的リハビリテーションを実施する際には, 精神保健福祉士も医療チームの一員として医療モデルの視点で支援を行うことが求められる。
5 精神保健福祉士は, 他職種・他機関の専門性と価値を尊重し, 相互に干渉せず, お互いに役割を果たすことが重要である。

チーム医療に関する問題。選択肢2, 3で悩みましたが, それ以外の問題については比較的簡単だったような印象です。選択肢2と3が純粋に知識があるかどうかですね。

選択肢1 これは過去に何度も出題されています。精神保健福祉士は, 医師の指導を受けることが義務づけられていますが, 最終的な援助の方針は自分で決める事ができます。これは指示よりも緩やかな表現ですね。

選択肢2 これは難問。重箱問題ですね。まずはアウトリーチ推進事業の説明から。厚生労働省のページから抜粋。

「精神障害者が, 精神疾患の重い症状により, 日常生活上の困難が生ずると, 医療を受けることが困難になり, 更に症状が増悪して日常生活上の困難が増大するという悪循環に陥ってしまうこととなる。このため, 地域生活の維持には, 医療と日常生活の支援の両方を提供する必要がある。精神障害者アウトリーチ推進事業 (H23)とは, 受療中断者や自らの意思では受診が困難な精神障害者に対するきめ細やかな訪問や相談対応を目標としている。本人の意向に寄り添う医療と生活支援を両立させるためには, 精神科医・保健師・看護師等の保健医療スタッフと, 精神保健福祉士等の福祉スタッフとが, 「多職種チーム」として, それぞれの技術及び価値観から多面的な視野のもとに共同して支援を行うことが極めて有効である。また, 精神疾患の症状は短時間に変化しうることから, 状況を的確かつ迅速にアセスメントし, 直ちに支援に反映できる必要がある。」

※アウトリーチ推進事業では, 問題の解決を入院に頼らないとし, 重度の精神障害があっても地域で暮らしていくことを目的としています。

※人員配置としては, 365日, 24時間の相談支援体制。保健師, 看護師, 精神保健福祉士, 作業療法士のいずれかの職員が少なくとも1 名以上配置され, 他に臨床心理技術者, 相談支援専門員等の専門職やピアサポーターが配置されていることとされています。よって選択肢は誤りですね。

選択肢3 精神科訪問看護は, 保健師, 看護師, 准看護師以外にも作業療法士又は精神保健福祉士であれば算定可能です。よってこれが正答。一応ここは確認しておきましょう。

※ちなみにH24から改正された訪問看護についてはの詳細はこちら。ちょっと覚えるのが大変ですが来年は点数などもっと詳しく出題される可能性もあるので一度は見ておく必要がありますね。特に, 精神保健福祉士は訪問看護ステーションの配置規定がなく, 仮に補助事業等により精神保健福祉士が配置されている場合でも, 訪問看護ステーションにおける精神保健福祉士が行う活動に対する診療報酬上の評価がありませんでしたが, 平成24年度改定では, 保健師又は看護師が精神保健福祉士と同時に訪問看護を行う場合に複数名訪問看護加算3,000円を算定することができるようになりました。

選択肢4 医学的リハビリテーションに対し精神保健福祉士が参加する時には, 生活モデルをその基盤として意見を述べたりすることが求められます。解答は誤り。

選択肢5 「相互に干渉せず, お互いに役割を果たす」のであればチームである必要がありません。有機的に連携し, 時として建設的な相互批判も含めてクライアントにチームで関わって行く姿勢が大事です。

今日は調子が良かったので2問。情報が多いので誤字心配。。。


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