その後, Aさんは関係する施設の支援を受けて就労を開始し, 1か月が経過した。この間連絡なく2回欠勤したが, 仕事は何とかこなしているとのことだった。今後の支援について, 地域の関係機関が集まってケアカンファレンスを行った。 (問題50)
問題49からの続きですが, だいぶ時間的経過はしょられてるみたいですねー。就労移行支援事業を利用した後で, 一般就労してそれから一ヵ月というようなニュアンスでしょうか。
次の記述のうち, Aさんへの今後の支援策として, 適切なものを1つ選びなさい。
1 良好な関係ができているB精神保健福祉士が今後も支援を継続することとした。
2 医療・福祉の職員がかかわると甘える気持ちが出てくるので, Aさんの支援は職場の上司が担当することとした。
3 特定の人を決めて支援を行うのではなく, 職場のナチュラルサポートに任せることとした。
4 Aさんの主治医が外来時に状況を把握し, アドバイスするので, その他の担当者の支援は必要ないとした。
5 ジョブコーチによる支援を継続し, Aさんと職場に対して職場定着支援をしていくこととした。
これは比較的正答率が高かったのではないでしょうか?
Aさんがどういう形で就職したのかという情報がないと正確には分かりませんが, 消去法で正答が導かれます。
とりあえず一番正答から遠いものから, 検討してみましょう。
選択肢2 これは論外ですね。ただ, 実際に援助の過程で知らず知らずこの論外な考え方がまかり通ってしまう事もありますので援助の内容を振り返って行く姿勢が大事です。
選択肢3 これもかなり遠いと思います。なんとなくナチュラルサポートというとかっこいいですが, 現在のAさんの状態を支えるためにはふさわしくないですね。
選択肢1と選択肢4 これもかなり遠いですね。Aさんの支援のためにせっかく充実した支援ネットワークがあるのに個別のスタッフが本人を支えるというのは間違った方向ですね。
ということで正答は選択肢5 になります。
選択肢5のジョブコーチとは, 障害者雇用促進法に規定されています。障害者の就労に当たり, 障害者が円滑に就労できるように, 職場内外の支援環境を整える者を指します。
ちなみにジョブコーチには,
1) 障害者職業センターに所属するジョブコーチ
2) 民間社会福祉法人等に所属するジョブコーチ(第1号職場適応援助者)
3) 障害者を雇用する企業に所属するジョブコーチ(第2号職場適応援助者)という3種類のジョブコーチがあります。
さああと一息。