第25回-精神専門51

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Aさんが就労して3か月ほど経過して, 関係する施設のC精神保健福祉士にAさんから「相談したいことがある」との連絡が入った。会って話を聞いてみたところ, 「仕事上でミスをしてしまい, 会社に迷惑をかけてしまった。それ以来また同じことをしてしまうのではないかと不安で仕方がない。退職した方がよいと思い, 職場の上司に辞めることを伝えてきた」とのことだった。

次の記述のうち, 相談を受けたC精神保健福祉士のAさんへの対応として, 適切なものを1つ選びなさい。
1 ミスについて気にしないようアドバイスをし, 頑張って今の仕事を続けるよう励ました。
2 今の職場は退職して, 障害者就業・生活支援センターで作業訓練をするよう勧めた。
3「退職した方がよい」との本人の意向を尊重し, すぐに退職することを勧めた。
4 主治医に連絡し, 臨時受診をすることを勧めた。
5 相談を受け止めた上で, Aさんの職場の上司や同僚から聞き取りをし, 客観的状況について把握することとした。

これも不適切なものの中から比較的マシなものを選ぶという問題でしょうか。選択肢の順番に確認していきましょう。

選択肢1 一般的にはよく行われるアドバイスなのでしょうが, ミスを過剰に気にしてしまうことそのものが, 本人にとってしんどいことなのを理解したアドバイスとは言えないでしょう。

選択肢2・選択肢3  本人の顕在化されたニーズを鵜呑みにしてすぐに援助を行うのはあまりいい援助とは言えないと思います。

選択肢4 不安定で医療的介入が必要ならば, 緊急受診を勧める必要がある場合もありますが, この事例の場合は「相談したい」と自ら来ている事からも主治医に連絡するのは本人ができるのではないかなあと思います。

選択肢5 これが正答だと思います。ただ, 文面の中に「本人の了解を得て」というフレーズがないので, その他の選択肢によっては誤答になる可能性もあるファジーな表現です。事例のケースでは, Aさんがおかしてしまったミスの客観的な大きさも不明ですし, それに対する周囲の理解度についても情報収集することが必要ではないかと思われます。

今日は2問。なんとか3月中に専門科目が終わりそうですね。


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