第28回-共通科目24

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問題24 イギリスにおける貧困対策の歴史に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 新救貧法 (1834年制定) は, 劣等処遇の原則を否定した。
2 慈善組織協会 (COS, 1869年設立) は, 救済に値する貧民に対する立法による救済を主張した。
3 ブース (Booth. C.) は, ロンドン貧困調査から「貧困線」という概念を示した。
4 老齢年金法 (1908年成立) は, 貧困高齢者に, 資力調査なしで年金を支給した。
5 ウェッブ夫妻 (Webb.S. & B.) は, 「社会保障計画」を提唱した。

おーこれはサービス問題ですね。この科目も比較的過去問を中心に作成されているのでなんとか選択肢は絞れそうです。

選択肢1 誤り。1601年のエリザベス救貧法(旧救貧法)は, 教区ごとに救貧税を設けて, 働くことの出来ない老人や身体障害のある人にはお金を支給してその生活を援助しました。その頃は「劣等処遇原則」という原則が適用されていました。新救貧法では, この劣等処遇の原則がむしろ徹底され, 全国で統一基準で運営されるようになっています。

選択肢2 誤り。慈善組織協会(COS)は, 教会の教区を中心行われていた民間の慈善活動を統一して行うために創設されたものです。選択肢は, 「立法による救済」という部分が誤りですね。

選択肢3 正答。ブースはロンドンにおける貧困調査において, 貧困問題について国家の施策として取り組むべきものであることを明らかにし, 無拠出年金制を提案した人です。その中で, 生活に必要な物を購入できる最低限の収入のあるなしを貧困線という指標で示しました。貧困線については第一次貧困第二次貧困について調査したラウントリーのことも是非覚えておきましょう。

選択肢4 誤り。1908年の老齢年金法では,道徳的欠陥のない70歳以上の低所得者に税方式で年金を支給しています。低所得者というくくりがあるので資力調査がなしってのは誤りですね。

選択肢5 誤り。これはサービス問題です。ウェッブ夫妻は「最低賃金,最長労働時間,衛生安全,義務教育」の4つの項目からなる。「ナショナル・ミニマム」概念で有名です。社会保障計画は「ゆりかごから墓場まで」で有名なヴェバリッジ報告の中で提唱されたものですね。

さて次ー!

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