第25回-精神専門53

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その後, Dさんは外来通院で治療を継続することとなった。その時のDさんはあまり「声が聞こえる」などとは言わなくなったものの, 昼くらいまで眠る生活が続いていた。また, 通院前日から外来に行けるか心配して落ち着きがなくなり, 帰ってくると「疲れた」と言って寝込んでしまうことが続いた。母親は, Dさんから主治医との診察の様子を聞いて, Dさんが病状をきちんと伝えていないのではないかと懸念していた。
そんなある日, Dさんから「母親とけんかしてしまった」と興奮した声でE精神保健福祉士に電話が入った。Dさんが帰りの電車の中で「見知らぬ男の人が自分の悪口を言った」と母親に話したことを受けて, 母親が「病院で先生にちゃんと話さないからいつまでたっても治らないのよ」とDさんを叱責したことが発端という。E精神保健福祉士は電話で助言を行った。 (問題53)

次の記述のうち, E精神保健福祉士の電話での対応として, 適切なものを1つ選びなさい。
1 Dさんの話を傾聴した後, 「今は興奮しているので, 夕食後に服用する薬をすぐ服用し, 落ち着いた後改めて話し合うように」と助言した。
2 Dさんの話を傾聴した後, 「気分を落ち着けないと再発し入院になる可能性があります」との見通しを伝え, 気分転換のために散歩に行くことを強く勧めた。
3 Dさんの話を傾聴した後, 「主治医に病状を伝えていないDさんにもよくないところがあります」と指摘し, 冷静になるように説得した。
4 Dさんの話を傾聴した後, Dさんの気持ちに理解を示し, 「どうしたらいいか一緒に考えたいので」と相談に来るように提案した。
5 Dさんに「興奮しているので母親と代わってほしい」と依頼し, 母親に対応のまずざを指摘し, 「Dさんに謝ってなだめるように」と助言した。

この問題も前半部は対応, 後半は助言というように2つのセンテンスに分けられていますね。

選択肢1, 2, 3, 4の前半部「Dさんの話を傾聴した後, 」これは正しいですね。

選択肢1  後半部「今は興奮しているので, 夕食後に服用する薬をすぐ服用し, 落ち着いた後改めて話し合うように」という対応。実践レベルではこういう対応をせざるをえないこともあるかもしれませんが。Dさんの立場に立って考えるならば, 感情の起伏を全て病状のせいにされたのではたまったものではないでしょうね。。。

選択肢2  後半部は明らかに間違いです。「気分を落ち着けないと再発し入院になる可能性があります」この判断はPSWの仕事ではないですし, 脅しのようなことはよろしくないですね。また, 「気分転換のために散歩」って。。。しかも「強く」って。。

選択肢3 「主治医に病状を伝えていないDさんにもよくないところがあります」これは, 非審判的態度とは言えませんね。

選択肢4  これが正答だと思います。「どうしたらいいか一緒に考えたいので」というのは基本的な姿勢として正しいと思います。

選択肢5 これは前半でおしまいです。「興奮しているので母親と代わってほしい」これが, すでにおかしいですね。傾聴する姿勢に欠けています。後半部, 母親に対応のまずざを指摘し, 「Dさんに謝ってなだめるように」と助言した。これもまあ論外ですよね。。。

事例問題はちょっとサービス問題が続いていますね。今日はここまでー!


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