第28回-共通科目71

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問題71 「平成24年度国民医療費の概況」(厚生労働省) に基づく, 国民医療費に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 国民医療費には, 特定健康診査・特定保健指導の費用が含まれる。
2 国民医療費は, 患者が医療機関で直接支払う一部負担金を差し引いて推計したものである。
3 国民医療費には, 保険適用外で請求される補装具の費用が含まれる。
4 財源別国民医療費では, 公費の割合が保険料の割合よりも大きい。
5 国民医療費に占める65歳以上の医療費の割合は, 50%以上である。

これも統計問題ですね。今年はなんだか多く感じるなあ。原本はこちら。この問題は知っている人はほとんどいないはずなので思考力を問う感じの問題です。「保険給付」とはなんぞやってことがわかっていれば解けた問題だと思います。

選択肢1 誤り。上記のリンク先から抜粋しながら解説します。
「「国民医療費」は, 当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものである。」
→簡単に言うと, 保険を使って治療した医療費のこと。保険を使わない民間療法は含まれません。
「この費用には, 医科診療や歯科診療にかかる診療費, 薬局調剤医療費, 入院時食事・生活医療費, 訪問看護医療費等が含まれる。」
→普通の治療だけではなくて, お薬代とか, 食事代なども含まれています。
「なお, 保険診療の対象とならない評価療養(先進医療(高度医療を含む)等), 選定療養(入院時室料差額分, 歯科材料差額分等)及び不妊治療における生殖補助医療などに要した費用は含まない。」
→保険を使っていない医療費に関しては含まれていません。
「また, 傷病の治療費に限っているため, (1)正常な妊娠・分娩に要する費用, (2)健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種等に要する費用, (3)固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用も含まない」とありますね。」
→非常にざっくり言うと, 「医療保険の給付」以外は含まれていませんね。

選択肢2 誤り。「国民医療費は, 医療保険制度等による給付, 後期高齢者医療制度や公費負担医療制度による給付, これに伴う患者の一部負担などによって支払われた医療費を合算したものである」とありますね。そりゃそうです。自己負担分も医療に対して支払われたものなので, 含まないといけませんねえ。

選択肢3 誤り。国民医療費には, 医科・歯科診療費, 調剤医療費などの他に「療養費等」と言われる枠組みがあります。これは, 健康保険等の給付対象となる柔道整復師・はり師等による治療費, 移送費, 補装具等の費用が含まれます。補装具等はあくまで「健康保険等の給付対象」となっています。健康保険の給付の対象となっていない場合には, 含まれません。

選択肢4 誤り。財源別に見ると, 公費は15兆円, 保険料は19兆円で保険料の方が高くなっています。どこかに似た感じの問題でてたなあ。(ミスがあったので修正しました)

選択肢5 正答。年齢別に見ると, 65歳以上は22兆860億円(同56.3%)となっています。こうやってみるとやはり高齢化の深刻さを感じますね。

今日はここまでー。結構この科目も時間かかりますねえ。。

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