第28回-共通科目79

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問題79 父母の離婚に伴い生ずる子 (15歳) をめぐる監護や養育や親権の問題に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。
1 親権者にならなかった親には, 子の養育費を負担する義務はない。
2 子との面会交流について父母の協議が成立しない場合は, 家庭裁判所が定める。
3 親権者にならなかった親は, 子を引き取り, 監護養育することはできない。
4 家庭裁判所は, 父母の申出によって離婚後も共同して親権を行うことを定めることができる。
5 家庭裁判所が子の親権者を定めるとき, 子の陳述を聴く必要はない。

この問題はあまり出題されていなかったと思いますが, 結構簡単だったかもしれません。
近年離婚は増えていますし, 社会福祉士として必要とされる知識の一つなのかもしれませんね。

選択肢1 誤り。養育費とは, 子どもを監護, 教育するのに必要な費用のことです。離婚により親の一方が親権者として子を引き取り監護することになっても,親の子に対する扶養義務は何ら影響を受けませんので,親権者とならなかった親も子の監護に要する費用を負担する義務を負います。

選択肢2 正答。自ら子どもを監護していない親には,面会交流の権利があります。このめ面会交流に関してはトラブルことになることが多く, 平成23年の民法改正においては, 父又は母と子の面会及びその他の交流について協議で定めること,協議が整わないときは家庭裁判所が定めることが規定されました。

選択肢3 誤り。身上監護権(居所指定権,懲戒権,職業許可権等) は親権の一部なので,親権者がこれを行使することが一般的です。しかし,親権者が子どもを監護できない事情がある場合や,親権者でない片方が監護権者として適当である場合には,親権者と監護権者が別々になることもありえます。

選択肢4 誤り。婚姻中は, 共同親権となっていますが, 現在の民法では, 離婚後の親権者は一方の親に定めなければなりません。海外では離婚後共同親権が一般的になりつつあるみたいですね。

選択肢5 誤り。家庭裁判所は, 未成年者である子が15歳以上であるときは, 必ず子の陳述を聴かなければなりません。また子が15歳未満である場合, 陳述の聴取は義務づけられていませんが, 適切な方法により, 子の意思を把握するよう努め, 審判の際に, 子の年齢及び発達の程度に応じて, その意思を考慮しなければなりません。

はい。今日もあと一問!

カテゴリー: 第28回共通科目, 権利擁護と成年後見制度 パーマリンク