第28回-社会専門84

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問題84 調査方法と調査票への記入の仕方に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。
1 郵送調査, 留置調査, 個別面接調査, 電話調査の中で, 実対象数を同じとすれば, 調査の実施に当たっての経費と労力が最もかかるのは, 郵送調査である。
2 電話調査は, 調査員が質問をしながら調査票に書き取る自計式調査である。
3 「全国世論調査の現況 (平成26年版)」 (内閣府) によると, 公的機関, 大学, メディア, 企業が実施した調査の中で最も多かったのは, 留置法である。
4 訪問面接調査法では, 記入要領を理解した調査員が, 調査対象者との面接で聞き取った内容を調査票に記入する。
5 調査票への記入の仕方として自計式は, 他計式と比べて, 質問の意味を正しく理解し回答を正しく記入しやすい。

さて, 4年目。かれこれこの科目にも慣れてきました。3年分やると結構4年めには見たことがある問題ばかりになりますねえ。

選択肢1 誤り。「労力」ってのもいまいち微妙な表現ですねえ。郵送調査と留置調査は質問紙の自記式, 個別面接調査と電話調査は他記式になるので, どちらかというと後者のほうが時間はかかりそうです。その中でも, 個別面接は直接行くので最も時間はかかりますね。ただ, 質問紙を用いた調査でも十分時間と労力を使って行う必要があるので, こんなふうに「手軽にできる」って勘違いするような問題はあまり良くないと思います。

選択肢2 誤り。「調査員が質問をしながら調査票に書き取る」方法は, 他記式になりますね。

選択肢3 誤り。留置法は簡単に言うと, 調査票を置いて帰って取りに行く方式, 郵送法は調査票を送って返信してもらう方法です。前者の方が回収率がよくなるのは言うまでもありません。ただ, 後者の方が選択肢1の表現を借りれば「労力」は少なくなるでしょう。よって最も多いのは郵送法です。

選択肢4 正答。設問のとおりです。この方法は非常に時間とコストがかかりますが, 確実に情報を集めることができます。一方, 調査者のフィルタを通した記入になってしまうので, 構造化がうまくいかない場合には, 偏った情報になってしまうリスクもあったりします。

選択肢5 誤り。自計式は, 被調査者が自ら記入するので, 調査の意図を間違って理解したり, 回答方法を間違ってしまったりすることも多いので注意が必要です。

さて今日も3問更新がんばりましょうー。

 

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