第28回-精神専門24

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問題24 精神科ソーシャルワーカーの歴史に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 ジャレット (Jarrett, M.) は, 全てのケースワークに精神医学的観点が必要であることを述べた。
2 ビアーズ (Beers, C.) は, 精神科ソーシャルワーカーとして, 精神科医療の改革を目指した精神衛生運動を展開した。
3 キャノン (Cannon, I.) は, 自ら精神科ソーシャルワーカーと名のったことから, 「PSWの母」と称されている。
4 第二次世界大戦中, 従軍兵の戦争神経症への対処として, ソーシャルワーカーが戦地派遣され, 精神科ソーシャルワーカーの誕生に寄与した。
5 日本の精神科ソーシャルワーカーは, 第二次世界大戦後間もない時期に都立松沢病院に社会事業婦が置かれたことに始まる。

これは過去何度か出されていますが, 微妙に知らないことも混じっているので, 消去法でないとしんどい問題ですね。

選択肢1 正答。ジャレットは, ボストン精神病院でサザード (医師)とともPSWの教育訓練を行った人です。この頃の時代的背景を考えると, 精神科医療機関においての役割が中心だった様子なので, そんなこと言ってそうかなあというレベルです。

選択肢2 誤り。ビアーズといえば「我が魂にあうまで」で有名な当事者さんです。彼はマイヤー医師とともに精神衛生運動を行いました。ソーシャルワーカーではないので誤りだと思います。

選択肢3 誤り。キャノンはPSWではなく, 医療ソーシャルワーカー(MSW)です。医療ソーシャルワーカーの役割の重要性について, 周囲の理解の促進に寄与した人として有名ですね。

選択肢4 誤り。橋本先生の論文 (我が国における精神科ソーシャルワーカーの黎明 超名著!) を読んでみると, 「第一次世界大戦は, PSW の普及に重大な影響を与えた。戦争神経症患者の大量出現などにより, PSW へのニーズが高まったのである」とあります。戦地に派遣されたかどうかはわかりませんが, 第二次ではなく第一次となっています。これはなんか後味が悪い問題だなあ。

選択肢5 誤り。この問題の選択肢1と全く同じ問題ですね。 1948年に社会事業婦が置かれたのは松沢病院ではなく, 国立国府台病院です。

難しかった。今日はここまでー。

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