第25回-精神専門63

Pocket

2011 (平成23) 年に改正された障害者基本法に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 知的障害の定義に「発達障害」が加わった。
2 障害の定義に「社会的障壁」が加わった。
3 差別の禁止の1つとして「障害者に対する虐待の禁止」の項目が加わった。
4 障害者の社会参加の支援の1つとして「精神障害者の地域移行」の項目が加わった。
5 障害者に対する基本施策として「障害の予防」の文言が加わった。

改正障害者基本法に関する問題ですね。共通科目で出すべき問題かとは思いますが, かなり重要なのでしっかりとチェックしておきましょう。詳細はここのページ。障害者基本法は, 障害者権利条約の批准に向け国内法整備の一環であることがポイントの1つですね。

選択肢1 .2   第2条 において障害者の定義の見直しが行われました。

身体障害, 知的障害, 精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害がある者であって, 障害及び社会的障壁(障害がある者にとって障壁となるような事物・制度・慣行・観念その他一切のもの)により継続的に日常生活, 社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの。とあります。選択肢1は知的障害ではなく精神障害なので誤り。選択肢2 は正しいですね。

選択肢3 差別の禁止は, 第4条に記載されています。

4)差別の禁止(第4条関係)
・障害者に対して, 障害を理由として, 差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。
・社会的障壁の除去は, それを必要としている障害者が現に存し, かつ, その実施に伴う負担が過重でないときは, その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない。
・国は, 差別の防止を図るため必要となる情報の収集, 整理及び提供を行う。

虐待防止は, 障害者虐待防止法で記載されていますので設問は誤りですね。

選択肢4 「精神障害者の地域移行」に関しては精神保健医療福祉の改革ビジョンの中で明文化されています。これは誤り。

選択肢5 第十六条において 障害の予防に基本的施策の規定に, 国及び地方公共団体は, 障害の原因となる難病等の予防及び治療が困難であることにかんがみ, 障害の原因となる難病等の調査及び研究を推進するとともに, 難病等に起因する障害があるため継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者に対する施策をきめ細かく推進するよう努めなければならないと明記されています。これは本改正で追加された文言ではありませんね。誤りです。

今日はここまで。

 

カテゴリー: 第25回精神専門科目, 精神保健福祉に関する制度とサービス パーマリンク

コメントを残す