第25回-社会専門85

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問題85 標本調査の長所と短所に関する次の記述のうち, 正しいものを2つ選びなさい。
1 関心の対象である全員にではなく, その一部分の人々にのみ調査を行う限り,どれだけ適切に設計, 実施された標本調査でも必ず標本誤差が生じる可能性がある。
2 訪問個別面接調査を行う場合でも, 本来は標本調査より全数調査を行う方が誤差が生じないので望ましい。
3 標本抽出法には確率抽出法と非確率抽出法があり, 実施が可能でさえあれば, 偶然に左右されない非確率抽出法を行うのが望ましい。
4 無作為抽出が適切に行われていれば, 調査対象者が多くても少なくても調査から得られる知見に違いはない。
5 標本調査によって母集団の性質についての統計的な推測ができるのは, 母集団に含まれるすべての人が同じ確率で選ばれ得るような標本抽出の手続きをとる場合である。

選択肢1 正答。標本調査はどうしても標本誤差が生じる可能性があります。そのためいろいろな方法のサンプリングをするわけですが, いくら統計的に厳しい検定をしても, 全数調査をしないかぎりこの事実は消えることはありません。

選択肢2 誤り。これは悩みました。「全数調査を行う方が誤差が生じない」は正しいと思います。ただ, 訪問個別面接調査において, それを現実的に行うのには非常に多くのコストが発生します。「望ましい」が微妙だと思います。

選択肢3 誤り。確率抽出法は, 母集団から調査対象者を選定する方法の一つで, くじ引きのように 選択者の主観を排除して抽出する方法です。これはあまり偶然に左右されません。

選択肢4 誤り。これはなんとなくわかったと思います。例えば, カレーライスの味を味見するときに, 指先にちょっとだけついたカレーと, スプーンに載せたカレーとどっちがその味の判断に適切でしょうか。つまり, 調査対象者が多ければ多いほど適切な知見が得られます。

選択肢5 正答。統計的な推測の前提そのものが, 「標本が母集団を代表する」という前提に基づいています。これは結構きわどい内容かもしれませんが。

今日はここまでー。

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