第25回-社会専門88

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問題88 変数の散布度 (バラつき, 散らばり具合) に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 平均値と中央値の差は偏差と呼ばれ, 散布度の指標としてしばしば用いられる。
2 最大値は, 変数がどの程度大きな値まで広がっているかを示しているので, 散布度の指標である。
3 四分位範囲 (第3四分位数と第1四分位数の差) は, 分布の両端からそれぞれ4分の1の測定値を捨てた後の, 中央の半数の測定値の範囲であり, 散布度として用いられる。
4 分散と標準偏差はいずれも散布度の指標であるが, この2つの間には必ずしも決まった関係はない。
5 散布度の指標である分散とは, 個々の測定値と平均値の差の絶対値をすべて足し合わせたものである。

これは福祉を学んでいる人の多くが結構嫌いな問題。それなりに統計にも明るいはずの心理学者にとっても結構難しい問題でした。

選択肢1 誤り。偏差は, 平均値とそれぞれの測定値の差を示します。平均値とそれぞれの測定値の差の平均 (標準偏差) の差が大きければ大きいほど, データは散らばっていると考えることができます。これはテストで考えるとわかりやすそうです。例えば, 50人のクラスで, 全員が50点を取れば, 平均点は50点で, 標準偏差は0です。これはまったく散らばっていません。でも, 100点の人が25人, 0点の人が25人であれば, 平均が50点で標準偏差はかなり大きくなる。つまり, データのちらばりがとても大きくなりますね。

選択肢2 誤り。これも結構微妙ですねえ。最大値だけだと散布度の指標にはならないのではないでしょうか。。せめて最小値もないとなあ。。あと最大値だけに頼ると, 外れ値に対応できないという問題も生じますね。

選択肢3 正答。四分位とは, データを小さい順に並べて, 四等分して, 四等分した境界に相当するデータのことを言います。そして, 四分位範囲 は, 分布の両端からそれぞれ4分の1の測定値を捨てた後の, 中央の半数の測定値の範囲のことを示します。

選択肢4 誤り。標準偏差は, 分散の正の平方根です。両者には明らかに関係がありますね。

選択肢5 誤り。分散は, 個々のデータと平均値の差を求め, 値をそれぞれ2乗し, それらを合計したものをデータの個数で割ることによって求められます。「足す」という部分が異なっていると思います。

この問題はしょうがないよねえ。。さて今日もあと1問。

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