第25回-社会専門94

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問題94 事例を読んで, M児童福祉司 (社会福祉士) の対応に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
児童相談所のM児童福祉司は, 主任児童委員からの通告がきっかけで, Nさん (33歳) と2人の子ども (小3女児, 小1女児) のひとり親家庭の支援を開始した。失業による経済的困難のために生活意欲を喪失し, 子どものネグレクト状態が続いて, 子どもたちは食事をとれないこともあった。M児童福祉司は, 数回の家庭訪問を行った。子どもの状態は変わらない。Nさんは次第に心を開いてくれ, 子どもは自分でみること, 福祉事務所には以前に相談に行ったが, 二度と行きたくないことなどを語った。
1 Nさんの公的機関に対する拒否的な感情を受容して, しばらくの間, Nさんと子どもの様子を見守ることにする。
2 福祉事務所のケースワーカー, 小学校の担任, 主任児童委員, その他関係者を集めて, 今後の援助方針を検討する。
3 Nさんの福祉事務所に対する不信感を尊重して, M児童福祉司が生活保護申請の手続きを進める。
4 Nさんに対し, 親の役割を自覚して子どもの世話をきちんとするよう助言する。
5 子どもの一時保護承諾に向けたNさんへの説得を, 小学校の担任に依頼する。

なんか日本語へんじゃないです??読みにくい文章だなあ。。

選択肢1 誤り。もちろん拒否的な感情そのものを受容することで, ラポールが形成されていくこともあります。ただ事例のケースでは, 「主任児童委員からの通告」を受理しているので, なんらかの即時的な対応が必要でしょうね。

選択肢2 正答。本人の同意が得られるかどうかをもちろん聞く必要がありますが (この場合は得られなくても動く必要がありそう), 情報収集, 役割分担も含めてケース会議を行うことは適切な動きだと思います。

選択肢3 誤り。「二度と行きたくない」という状況で代理申請しても決してうまくいかないでしょうね。Nさん自身がどのような生活をしていきたいかを一緒に考えていく姿勢が求められます。

選択肢4 誤り。ここでの助言はNさんを責めることにつながってきそうな気がします。事例の中で次第に気づいてきた関係性を台無しにしてしまうリスクがありそうです。

選択肢5 誤り。児童虐待防止法では, 通告又は市町村等からの送致を受けた場合, 子どもの安全の確認を行うよう努めるとともに, 必要に応じ一時保護を行うものとされ, その実施に当たっては, 速やかに行うよう努めなければならないとされています。事例のケースでは, 一時保護により, 子どもの生命の安全を確保するという可能性は十分にあります。ただ, 一時保護は母親にとってかなり大きな出来事です。これを担任に依頼するといのはちょっと筋違いでしょうね。

ちょっと事例で一息という感じでしたねー。

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