第25回-社会専門96

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問題96 ソーシャルワークの専門職倫理に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ソーシャルワーカーは, 法制度の規定のもとでその実践を行うので, 制度とのジレンマや矛盾を起こすことはない。
2 守秘義務を遂行することにより第三者に危害が及ぶことが予測される場合などは, クライエントの個人情報を開示してもよいと考えられている。
3 倫理的原理の優先順位を明らかにした「倫理的原理のスクリーン (Ethical Principles Screen:EPS) 」では, クライエントの生活の質が最も優先される。
4 アメリカの「マネジドケア (managed care) 」では, ソーシャルワーカーの裁量と患者の自己決定に矛盾が起きることはない。
5 子ども虐待のケースにおいて, 子どもの権利と親の権利の間でジレンマが現れる場合は, 子どもの年齢や状況にかかわらず, 子どもの希望に従い支援を行う。

ソーシャルワークの専門職倫理ってのは, 「社会福祉士の倫理綱領」ってことでいいんだよね?

選択肢1 誤り。「実践現場と綱領の遵守」の中で「社会福祉士は, 実践現場で倫理上のジレンマが生じた場合, 倫理綱領に照らして公正性と一貫性をもってサービス提供を行うように努めなければならない」とあります。ジレンマや矛盾を起こした時にこそ倫理綱領が役に経つと言えるでしょう。

選択肢2 正答。うーむ。微妙な問題だなあ。。先ほどの倫理綱領には書いてませんが。クライエントが第三者を害する可能性に関する情報等が得られば場合には, 第三者への影響の度合いや, 情報の信憑性などを考慮して対処すべきだと思います。例えば, 「苦情言おうと思うんですよ」なら, 別にいいと思うんですが, 「殺してやる」であれば守秘義務よりも開示のほうが優先されるのではないでしょうか。

選択肢3 誤り。倫理的原則のスクリーン。。これも精神保健福祉士の科目ではあまり聞かない言葉ですねえ。ググらなきゃ。。ドルコフの倫理原則のスクリーンでは, 七つの倫理原則リストを明示し, 数字の少ない順に, 重視・優先すべき原則であるとしました。列記しておきます。原則1:生命の保護, 原則2:平等と不平等, 原則3:自己決定と自由, 原則4:危害最小, 原則5:生活の質, 原則6:個人情報と守秘義務, 原則7:誠実と開示の原則。

選択肢4 誤り。マネジドケアは, 管理医療手法を用いて医療費を抑制することを目的とした医療保険制度のことを言います。医師の裁量権が大幅に制限されることや, 患者が受けたい治療も受けられない可能性もあるため, ジレンマが起こりえます。

選択肢5 誤り。「こどもの年齢や状況に関わらず」ってのは明らかに誤りでしょうね。0歳児は希望も言えないでしょうし。。

なんかもやっとした問題ですねえ。。今日はここまでー。

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