第25回-社会専門116

Pocket

問題116 V市社会福祉協議会では, 要介護高齢者の在宅での介談を行う主たる家族介護者を対象としたグループワークを実施している。グループに参加した主婦のHさん (55歳) は, 介護に協力的でない夫への不満や, 自らが介護している義母との関係にストレスを抱えていた。しかし, 自分のことを他人に話すのは恥ずかしいという気持ちや, こんなことで悩んでいるのは自分だけだという思いもあって, 黙っていることが多かった。しかし, 他のメンバーが自分と同様の悩みや協力してくれない家族の愚痴などを話すのを聞いているうちに, 自分自身の状況に対して違った見方でとらえることができ, 自分の気持ちや状況について, 自ら表現して話をすることができるようになった。
次のうち, Hさんの変化に見られるようなグループ活動の効果を表すものとして, 正しいものを2つ選びなさい。

1 波長合わせ
2 観察効果
3 集団思考
4 感情転移
5 普遍化

ただの用語問題かなあと思ったら結構難しく感じましたねえ。

選択肢1 誤り。グループワークにおける波長合わせを提唱したのはシュワルツです。これは, グループ全体が同じ波長でいろいろな課題などに取り組むために, ゲームや自己紹介などを通じて行う事前準備のことを指します。事例には出てきませんねえ。

選択肢2 正答。観察効果は, グループに参加して, 他のメンバーと交流する過程で自分と同じようなの悩みを共有し, 異なった見方や表現ができるようになることを言います。事例とジャストフィットだと思います。

選択肢3 誤り。集団思考は心理学の用語ですね。集団で意思決定をするなどの場合に現れる集団特有の思考パターンのことを言います。より危険な方向にシフトするリスキーシフトや極端に安全な方向にシフトするコーシャスシフトなどが有名です。事例にはあてはまりません。

選択肢4 誤り。感情転移とは, クライアントがワーカーに対し, 他の人物に対する感情を投影して持つようなことを言います。例えば, 父親との関係がよくないクライアントが父親と同年代の男性ワーカーに過度に依存的になったり, 逆に反抗的になったり。。。この転移には, 相手を過度に良くみてしまう陽性転移や, 逆に過度に嫌悪してしまう陰性転移などがあります。またワーカーがクライアントに転移してしまうことを逆転移と言います。事例とは関係ありませんねー。

選択肢5 正答。普遍化は, 自分の悩みが他者にとっても同様の悩みであることを理解するというような意味でしょうか。事例とはばっちり当てはまりますね!

今日もあと2問がんばっていきまっしょい!

カテゴリー: 第25回社会専門科目, 相談援助の理論と方法 パーマリンク