第25回-社会専門121

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問題121 組織学習論に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 アージリス (Argyris,C.) は, 既存の枠組みとは異なる新しい可能性を探る組織の学習形態をシングルループ学習と呼び, 組織が継続的に学習する上で必要であると指摘している。
2 他組織の成功体験や先進事例から学び, 自組織に取り入れることは組織学習には含まれない。
3 ヘドバーグ (Hedberg, B.) は, 組織にとって時代遅れとなったり, 有効性が失われた知識を棄却するプロセスをアンラーニング (unlearning) と呼び, これが望ましい組織学習の上で欠かせないと考えた。
4 組織学習は, 組織が短期的に適応していくプロセスについて説明するための概念である。
5 共通の専門知識と情熱によってインフォーマルに結びついた人々の集団である実践共同体 (community of practice) は, 知識が生まれ共有される場にはならず組織の学習とは関係しない。

結構目新しい内容が多いですねえこの科目。新しい知識が手に入るのは面白いのでしっかり勉強しよっと。
組織学習とは, 組織が新たな知識や価値観を習得し, 変化・発展していくことであり, 個人が学習するのと同じように「組織も学習する」と考えることがその前提となります。

選択肢1 誤り。アージリスは, 組織が問題解決を図っていくための学習過程をシングルループダブルループの2種類に分けて提唱した人です。シングルループ学習とは, すでに備えている考え方や行動の枠組みにしたがって問題解決を図っていくことで, ダブルループ学習とは, 既存の枠組みを捨てて新しい考え方や行動の枠組みを取り込むことです。選択肢はシングルではなく, ダブルの説明ですね。

選択肢2 誤り。まあこれは読んですぐ分かりますね。他組織の成功体験を積極的に自組織に取り入れることも組織学習の重要な一部です。

選択肢3 正答。アンラーニングは, いったん学習したことを意識的に忘れ, 学び直すことを意味します。これは個人の成長だけではなく組織学習にとっても重要なことです。

選択肢4 誤り。これもなんとなくニュアンスで外せたと思います。短期的適応だけではなく, 長期的適応も含んだ概念です。

選択肢5 誤り。ググッて思ったんですが, この問題はたぶん産業能率大学のサイトを参考に作られていまね。ついでなので抜粋します。
部門横断的なプロジェクトチームによる課題解決活動や, 職場勉強会など, 「あるテーマに関する関心や, 熱意, 専門知識を持ったメンバーが集まり, 相互交流を通じて, それぞれの知識や技能を深めていく人々のつながり」を「実践共同体」と言い, 学習研究者であるエティエンヌ・ウェンガーによって提唱された。
定義を見れば想像できると思いますが, この実践共同体ももちろん組織学習していくものだと思います。

今日はここまでー。

 

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