第26回-社会専門87

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問題87 質問紙作成の注意点に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「喫煙や飲酒を毎日しますか? (はい/いいえ) 」のように, なるべく2つの事柄を1つの質問で尋ねるのが効率的である。
2 「増税すると福祉予算が増えますが, あなたは消費税率の引上げに賛成ですか」のように, 回答者がよりよく考えて回答できるように質問に説明を含めるのが望ましい。
3 「あなたは年金支給開始年齢の引上げに賛成ですか」と聞く代わりに, 「賛成ですか, 反対ですか」と聞くと, 表現が簡潔でなくなるので望ましくない。
4 「個人の自由に最大限の配慮をしないケアは認められないという考えに反対する立場に, あなたは賛成ですか, 反対ですか」という質問は, 否定が重なり好ましくない。
5 質問する順番によって回答が変わることがあるので, 回答してほしい選択肢が選ばれやすくなるような順番に配列するのが望ましい。

この問題も比較的基本的な内容の問題です。取りこぼしのないようにしておきたい。

選択肢1 誤り。一つの質問文の中に2つの内容が混在しているものをダブルバーレル質問と言います。選択肢の内容の場合, タバコを吸っているが酒を飲まない人, その逆が混在してしまうので適切な回答を得ることが困難になると思います。

選択肢2 誤り。「増税すると福祉予算が増えます」というように質問の最初の内容が後半に影響を与えることをプライミング効果といいます。特にこのように, 明らかに作成者の意図が入っている場合には誘導質問と言われ, 必ず避けるべきです。

選択肢3 誤り。「賛成ですか?」と聞いた時点で, イエステンデンシーの影響が考えられます。これは, 回答者は質問に対し, 肯定的に回答する傾向があることを示します。それを避けるために, 「賛成ですか, 反対ですか」というように両方の選択肢を明示することなどが有効だと考えられます。

選択肢4 正答。選択肢の内容は, 否定が3つあるので実際にはなにを説明しているのかがわかりにくくなっています。こういうのってなんか名前ついてたかなあ。

選択肢5 誤り。質問する順番によって回答傾向が変わることをキャリーオーバー効果と言います。これをできるだけ避けるために質問項目をランダムに配置するなどの工夫が必要になります。

よし。いい感じ!この科目は僕の専門に近いので結構スラスラいくなあ。

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