第26回-社会専門96

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問題96 事例を読んで, A社会福祉士の対応に関する次の記述のうち, 適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Z町の地域包括支援センターに勤務するA社会福祉士は, 高齢者の孤立防止事業に取り組んでいる。A社会福祉士は, 民生委員からBさん (76歳, 女性) のことで相談を受けた。Bさんは長年, 4匹の猫とともに自宅で一人暮らしをしていたが, 最近, 認知症が疑われる言動が見られ, 食事もままならなくなっているらしい, そこで, A社会福祉士は民生委員とともにBさんの自宅を訪問したところ, 室内は猫の糞尿により不衛生な状態であった。A社会福祉士がBさんと話をしたところ, Bさんは, 「これからもこの家で猫たちと暮らしたい。放っておいてほしい」と語った。
1 本人の意思を尊重し, 特別な支援は行わないとBさんに伝える。
2 配食サービスの利用を勧め, 自宅での生活継続の可能性を探る。
3 4匹の猫を動物愛護団体に預けた上で, 自宅での生活継続を勧める。
4 Bさんを緊急保護して, 一時的に養護老人ホームへ入所させる。
5 専門職, 近瞬住民による見守りネットワークの強化を目指す。

これも事例問題。この科目は例年2問くらいは事例問題が出てくるので大崩れはしない科目です。猫屋敷事例!!

選択肢1 誤り。Bさんのニーズは, 「これからもこの家で猫たちと暮らしたい。」の部分でしょう。それをなんとかするためになんらかの支援は必要になってくると思います。

選択肢2 正答。本人は在宅で暮らしたいというニーズを持っています。事例の中では「食事もままならなくなっている」という記述も見られていますので, 十分に検討の余地がある社会資源の利用方法だと思います。

選択肢3 誤り。最終的にこういう判断になってしまうことはあるかもしれませんが, 少なくても本人のニーズではありません。この段階で判断することではないと思います。

選択肢4 誤り。老人福祉法においては, 「やむを得ない事由」の際に措置制度により, 養護老人ホームへの緊急保護が規定されています。ここでいうやむを得ない事由による措置は, 虐待等の理由により契約によって必要な介護サービスの提供を受けることが著しく困難な65歳以上の高齢者などが想定されています。事例には当てはまりませんね。

選択肢5 正答。事例の内容を一朝一夕に解決することは難しいと思いますが, 地域の見守りネットワークの構築は必要なことだと思います。

今日はここまでー。

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