第26回-社会専門105

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問題105 事例を読んで, J指導員 (社会福祉士) によるK子へのこの面接時の対応として, 適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
K子 (11歳) の両親は昨年離婚した。K子は, 現在アパートで父親 (37歳) と2人で生活をしている。K子は軽度の知的障害があるため, 父親が昼間働いている間, 生活能力の向上を目指して放課後等デイサービスを週4~5回利用している。最近K子は無表情で, 帰宅をしぶることが多くなったため, 心配した放課後等デイサービスのJ指導員がK子と相談室で面接をしたところ, 父親の性的虐待が疑われるような話が出てきた。

1 偽りの記憶症候群に該当するかどうかを確認する。
2 夜遅くまで起きていて, 父親に甘えるからではないかとK子に言う。
3 あなたが悪いのではない, 我慢しなくていいとK子に伝える。
4 話の内容の正確性を担保するために, 繰り返し聞き取りをする。
5 児童相談所へ通告をする。

これも事例問題。比較的簡単なのでしっかり解いておきたい。

選択肢1 誤り。偽りの記憶症候群とはあまり聞き慣れない言葉ですねー。虚偽記憶症候群とかのほうが一般的かもしれません。これは, 実際には起っていない筈の出来事に関する記憶です。嘘を付いているのとは違って本人が無意識に記憶を捏造していまう状態を言います。性的虐待などでは, 「そんなことが自分に起こるわけがない」とむしろ逆の報告に記憶が改ざんされることが多そうです。事例の状況で疑うような内容ではないと思います。

選択肢2 誤り。んーこれはまあ解説する必要もないですよね。

選択肢3 正答。自分にとっての重要な他者から虐待を受けた人は, その理由を自分に求め自罰的になることもあります。事例のようなアプローチが必要になってくると思います。

選択肢4 誤り。いいにくいことをなんども聞くのはどうなのかなあ。。

選択肢5 正答。児童虐待防止法6条によって「児童虐待を受けたと思われる児童を発見したもの」の通告義務が明記されています。これは結構よく出題されるので, とく覚えておきましょう。

さてあと一問!

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