第26回-社会専門135

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問題135「平成23年度高齢者虐待の防止, 高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」 (厚生労働省) で示されている高齢者虐待の実態に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 養介護施設従事者等による高齢者虐待に関し, 平成18年度の同調査結果と比較すると, 「相談, 通報件数」及び「虐待判断件数」ともに, それぞれ減少している。
2 養介護施設従事者等による高齢者虐待について, 施設・事業所の種別でみると, 「有料老人ホーム」において虐待の事実が認められた事例が最も多かった。
3 養護者による高齢者虐待についてみると, 虐待の種別, 類型では「経済的虐待」が最も多く, 次いで「介護等放棄」「身体的虐待」「心理的閣待」の順であった。
4 養護者による高齢者虐待では, 被虐待高齢者の世帯構成については「未婚の子と同一世帯」が最も多く, 次いで「既婚の子と同一世帯」「夫婦二人世帯」の順であった。
5 養護者による高齢者題待についてみると, 虐待事例への市町村の対応として, 「被虐待高齢者の保護として虐待者からの分離」がおよそ7割の事例で行われた。

高齢者の虐待に関する統計的問題です。こういう統計を全部覚えておくのは無理だと思うので, しっかり読んで考える問題だと思います。原本はこちら

選択肢1 誤り。高齢者虐待防止法21条では, 「養介護施設従事者等は, 当該養介護施設従事者等がその業務に従事している養介護施設又は養介護事業において業務に従事する養介護施設従事者等による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合は, 速やかに, これを市町村に通報しなければならない。 」と通報義務が定められていることもあり, 虐待の通報件数は上昇傾向にあります。

選択肢2 誤り。これは微妙ですね。施設ごとに見ると特別養護老人ホームが最も多いです。いわゆる終の棲家であることや介護保険制度の対象となっていることもその要因かもしれません。有料老人ホームは, 非常に高額ですし, 実際には入所者はさまざまな施設から選ぶような状況ですから虐待の可能性が低そうに思います。

選択肢3 誤り。最も多いのは身体的虐待, 続いて心理的虐待になります。本人の年金を搾取するなどの経済的虐待は, 実際には起こっているかもしれませんが, 表に出にくいのかもしれませんねえ。

選択肢4 正答。これは消去法で選ぶしかないかなあ。

選択肢5 誤り。実際には, 養護者もさまざまなストレスに押しつぶされた結果として, 虐待に至っている例も多いと思います。多くの場合では, 分離までいかなくても適切な支援を組み合わせることで解消できるのではないかと思います。

さて, 二年目終了。明日から3年目もがんばろうー。

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