第26回-社会専門137

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問題137 事例を読んで, 市役所の相談担当者の対応に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Hさんは夫の暴力が激しかったので別居して, 現在1歳になる子どもと一緒に, 年金で生活している自分の父親の住む実家に身を寄せている。3か月を経過し, ようやく夫の付きまといがなくなってきた。Hさんは, 今後夫とは離婚して母と子で自立して一緒に暮らしていきたいと希望している。そのための準備として, 市役所に相談のために来所した。

1 夫のDVから身を守るため, 婦人保護施設への入所を勧める。
2 子どもを乳児院に入所させて, 働き始めることを勧める。
3 母子休養ホームを活用して, 母と子の生活自立のトレーニングをすることを勧める。
4 保育所に子どもを入所させて, 働き始めることを勧める。
5 実家から出て,新しい暮らしを始めることを勧める。

DVに関する事例問題です。この科目は難しい事例問題と簡単な事例問題が混在していますね。手堅く解いておきたいところです。

選択肢1 誤り。 婦人保護施設は、都道府県により設置される要保護女子を収容保護するための施設です。施設では, 入所者の生活指導や職業訓練の自立支援が行われており, , DV から逃れる女性のうけ皿としても機能しています。事例を読む限りは, 夫のつきまといはなくなっており, 「自立」というHさんのニーズからも利用する社会資源としてはあまりふさわしくないと思います。

選択肢2 誤り。乳児院は, なんらかの理由で十分な養育を受けることのできない乳児を入院させてこれを養育し, あわせて退院した者について相談その他の援助を行うことを目的とする児童福祉施設です。事例では, 養育できないという状況でもないので選びにくいですねえ。

選択肢3 誤り。母子休養ホームは, 母子家庭に余暇を楽しんでもらうための宿泊施設であり。生活自立のトレーニングの場所ではありません。

選択肢4 正答。ちょっと冷たく思えますが, 選択肢の中ではこれが一番現実的かなあと思います。

選択肢5 誤り。これを選んだ人も多そうです。ただ, 実際母子だけで暮らすメリットとデメリットを十分に考える必要があります。事例では「自立の準備」のための相談なので, 即「実家から出て新しい暮らし」をすすめるのが専門的判断とは思えませんねー。

さて、今日はあと一問!

カテゴリー: 第26回社会専門科目, 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 パーマリンク