第26回-社会専門140

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問題140 母子保健法に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 妊産婦と18歳未満の子どもを対象にしている。
2 市町村長は, 養育上必要があると認めるときは, その未熟児の保護者に対して保健師等による訪問指導を行うように定めている。
3 母子福祉センターの設置について定めている。
4 助産施設の設置について定めている。
5 妊婦が母子健康手帳を受け取る義務について定めている。

母子保健法に関する問題です。こういう感じの問題も出るんですねえー。
母子保健法は, 「母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため, 母子保健に関する原理を明らかにするとともに, 母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導, 健康診査, 医療その他の措置を講じ, もつて国民保健の向上に寄与すること」を目的とする法律です。

選択肢1 誤り。18歳未満となると少し大きすぎますね。これは児童福祉法の定義だと思いまます。母子保健法が対象としているのは, 妊産婦 (妊娠中~出産後一年)と, 乳児(1歳未満), 幼児(未就学児) です。

選択肢2 正答。母子保健法第19条を抜粋します。
「市町村長は, その区域内に現在地を有する未熟児について, 養育上必要があると認めるときは, 医師, 保健師, 助産師又はその他の職員をして, その未熟児の保護者を訪問させ, 必要な指導を行わせるものとする」。
これは誤りにはしにくいですね。訪問指導に関する規定には他にも, 新生児や妊産婦に対しても同様の規定があります。

選択肢3 誤り。母子保健法に規定されている施設は, 母子健康センターです。第22条には,
「市町村は, 必要に応じ, 母子健康センターを設置するように努めなければならない」
と設置に関する努力義務が定められています。このセンターは, 母子保健に関する各種の相談に応ずるとともに, 母性並びに乳児及び幼児の保健指導を行ない, 又はこれらの事業にあわせて助産を行なうことを目的とする施設です。
ちなみに母子福祉センターは, 母子及び父子並びに寡婦福祉法に規定されている福祉施設です。

選択肢4 誤り。助産施設は, 保健上必要があるにもかかわらず, 経済的な理由により入院助産を受けることが難しい妊産婦が入院し, 助産を受けることができる施設です。この施設は児童福祉法に規定されています。

選択肢5 誤り。母子保健法第16条に
「市町村は, 妊娠の届出をした者に対して, 母子健康手帳を交付しなければならない。 」
と市町村の義務が定められていますが, 選択肢のように「受け取る義務」は定められていません。

さて、あと2問ー!

カテゴリー: 第26回社会専門科目, 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 パーマリンク