第27回-社会専門85

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問題85 次の記述のうち, 社会調査の実施における倫理的配慮の観点から, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 社会調査の対象者の抽出台帳に, 選挙人名簿を利用する際の調査目的には, 制約がない。
2 調査への協力が自由意志によるものであることはよく知られていることなので, 調査の対象者に説明しなくてもよい。
3 質問紙調査で収集したデータは, 信用できる学術機関が管理しているデータアーカイブスであれば, 匿名化しないでそのまま提供した方がよい。
4 小学生を対象に調査を実施する際には, 調査の目的などを本人が理解できるように丁寧に説明し同意書に署名をしてもらった上であれば調査を実施してもよい。
5 調査票の回答内容及び対象者に関する情報は, 共同研究者間であっても, 個別に特定できないように加工し, 利用することが望ましい。

この問題も日本語の雰囲気でだいぶ選択肢は狭めれそうです。こういうのを確実に解いておきたいですね。

選択肢1 誤り。選挙人名簿は, 選挙人の資格を公証する目的で, 選挙人の氏名を登録した名簿のことです。この選挙人名簿の閲覧は, 「政治・選挙に関する世論調査や学術調査をおこなうために閲覧する場合」に限定されています (2006 公職選挙法改正)。まあ制約がないわけないですよね

選択肢2 誤り。社会調査を行うにあたり, 調査の目的の説明だけでなく, 参加の有無は自由意志であることを伝えるのは倫理上当然のことです。

選択肢3 誤り。まず, データアーカイブスに登録することそのものを非調査者から同意を取っておくという前提を担保する必要があります。また同意が得られていたとしても, 匿名化せずに登録することはありえません。さらに, 匿名化されていたとしても信頼できる学術機関以外の場所に登録することはありえません。

選択肢4 誤り。もちろん選択肢のような配慮をすることは当然の義務ですがそれだけで十分とは言えません。相手が学童, 児童など判断能力に限界がある場合には, 保護者や学校関係者など責任のもてる成人から承諾を得ておく必要があります。

選択肢5 正答。これ昨年分でも出てましたよね。あの問題を覚えておけばかならず解けた問題でした。サービス問題でした。

さてあと一問!

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