第27回-社会専門93

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問題93 日本におけるソーシャルワークの形成過程に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。
1 大正期には, 公営のセツルメントが誕生し活動を展開した。
2 昭和初期から第二次世界大戦中には, 感化救済事業が活発化した。
3 第二次世界大戦直後には, 社会福祉教育の実践が連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ) の指示で中断された。
4 高度経済成長期には, エビデンスに基づくソーシャルワークのあり方が重視された。
5 社会福祉基礎構造改革時には, ソーシャルワークの統合化の考え方が外国から初めて紹介された。

これもかなり難しい。。。連続して難問なので心が折れそうです。

選択肢1 正答。日本のセツルメント活動としては, 岡山博愛会 (アダムス), キングスレー館 (片山潜) が有名ですが, 日本初の公営セツルメントは, 大正10年の大阪市立市民館だそうです。

選択肢2 誤り。感化救済事業というのは, 内務省が明治41年から大正中期まで行政用語として用いた呼称です。皇室の慈恵性をうたいつつ民間の慈善事業を組織したものです。

選択肢3 誤り。日本において, 「福祉教育」という文言が初めて使われたのは, 市町村社会福祉協議会当面の振興方針(1968)です。すでにGHQは居ませんねえ。GHQは日本占領中に, さまざまな福祉施策を指示していますので, すくなくとも中断はなさそうです。

選択肢4 誤り。ソーシャルワークにおいてエビデンス・ベース・プラクティス(EBP)が出現したのは, 1990年代後半の欧米においてです。日本では2000年頃からなので誤りだと思います。EBP は根拠に基づいた実践として近年改めて注目されつつあります。

選択肢5 誤り。社会福祉基礎構造改革は, 個人に対して社会連帯の考え方に立った総合的な支援が行えるよう, 社会福祉事業, 社会福祉法人, 措置制度などについて見直しが行われた一連の改革です。介護保険法や障害者自立支援法などもこの一連の改革に含まれます。「ソーシャルワークの統合化の考え方」はもちろん含まれてはいると思いますが, 「初めて紹介」ってのは意味がよくわかりませんねえ。。

出題者の意図が全く読めない問題が続きますねえ。今日はここまでー。

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