第27回-社会専門94

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問題94 人権に関する国際的な条約などについての次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」では, 締約国が母性保護を目的とした特別措置をとることは, 差別と解してはならないと定められている。
2 「高齢者のための国連原則」では, 高齢者と開発, 高齢に至るまでの健康と福祉の増進, 支援環境の整備の三つの優先的方針が定められている。
3 「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」では, 締約国がアタッチメント促進のための特別措置をとることは 差別と解してはならないと定められている。
4 「児童の権利に関する条約」では, 締約国は結社の自由についての児童の権利を制限できると定められている。
5 「障害者の権利に関する条約」では 自立, 参加, ケア, 自己実現.尊厳の五つの一般原則が定められている。

これも結構厳しい問題だなあ。これ全部覚えるのきついよねえ。なんとか復習しておきたいですが, 諦めるのも一つの方法かも。

選択肢1 正答。選択肢は女子差別撤廃条約のことです。女子に対するあらゆる差別の撤廃を基本理念とし, 政治的・経済的・社会的活動などにおける差別を撤廃するために締約国が適切な措置をとることを求める条約です。第4条に「締約国が母性を保護することを目的とする特別措置をとることは, 差別と解してはならない」とあります。母性保護をググると, 「女性が生命の再生産のために有している月経,妊娠,出産,哺乳という母性機能を保護」と出てきます。つまり, 「妊娠, 出産などにおいて配慮をすることは差別ではありませんよ」ということだと思います。

選択肢2 誤り。高齢者のための国連原則は, 1991年に国連総会で採択された原則です。五つの基本原理 (自立・参加・ケア・自己実現・尊厳) を各国政府が自国プログラムに組み入れるよう奨励したものです。選択肢にある3つの優先的方針は, 「高齢化に関するマドリッド国際行動計画2002」の中で採択されたものらしいです。

選択肢3 誤り。これは人種差別撤廃条約のことですね。にそれアタッチメント促進のため??ググってもよくわからないですが, 「人権及び基本的自由の平等な享有又は行使を確保するため, 保護を必要としている特定の人種若しくは種族の集団又は個人の適切な進歩を確保することのみを目 的として, 必要に応じてとられる特別措置は, 人種差別とみなさない。」とあります。これはいわゆる逆差別のことを言っているんじゃないかなあ。

選択肢4 誤り。児童の権利条約では, 子どもの意見表明権,親に養育される権利,表現・思想・宗教・結社・集会の自由,プライバシーと名誉の保護,児童虐待からの保護,障害児の権利,教育権,あらゆる形態の搾取からの保護などを保障する条約です。ここでいう結社とは, 多数の人が共通の目的をもって継続的な団体を組織することを指します。これは児童にも認められている権利ですねー。

選択肢5 誤り。これも結構詳しく出題されていますねえ。障害者の権利条約では,
(1)一般原則として, 障害者の尊厳,自律及び自立の尊重,無差別,社会への完全かつ効果的な参加及び包容等の4つ,
(2)一般的義務として, 合理的配慮の実施を怠ることを含め,障害に基づくいかなる差別もなしに,すべての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し,及び促進すること,
(3)障害者の権利実現のための措置として, 身体の自由,拷問の禁止,表現の自由等の自由権的権利及び教育,労働等の社会権的権利,
(4)条約の実施のための仕組みとして, 条約の実施及び監視のための国内の枠組みの設置。障害者の権利に関する委員会における各締約国からの報告の検討。

などが規定されています。

今日もあと3問がんばりまっしょい!

カテゴリー: 第27回社会専門科目, 相談援助の基盤と専門職 パーマリンク