第27回-社会専門98

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問題98 ソーシャルワークが対象としている「人と環境との関係」に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。
1 リッチモンド (Richmond, M.) は, 人々と資源システムとの連結や相互作用としてとらえた。
2 パールマン (Perlman, H.) は, 人と環境及び両者の相互作用の連関性としてとらえた。
3 ホリス (HoIlis, F.) は, 他の相互作用によって影響を受けた累積的相互作用としてとらえた。
4 バートレット (Bartlett, H.) は, 人々が試みる対処と環境からの要求との間で保たれる均衡関係としてとらえた。
5 ジャーメイン (Germain, C.) は, 社会生活の基本的要求を充足するために, 社会成員が社会制度との間に取り結ぶ関係としてとらえた。

さて, 3年目。さすがに似たような問題ばかりになってきましたねー。この人名問題もなんども出されているのでサービス問題かと思ったけど, 読めば読むほど難しくなるなあ。。。正直あんまり差があるような考え方じゃないとこもあるよねえ。ノーチャンスかも。。

選択肢1 誤り。リッチモンドは3年連続かな。リッチモンドといえば, 人と環境の間で起こる生活問題に焦点化したソーシャルワークです。選択肢はピンカス&ミナハンの説明だと思います。

選択肢2 誤り。パールマンは問題解決アプローチの人だから選択肢とは違います。選択肢はいろいろぐぐってみると心理社会的アプローチのホリスさんらしいです。「人と状態の全体関連性」というフレーズで覚えることが多いので「連関性」とは厳密には違うような気がするんだけどなあ。

選択肢3 誤り。累積的相互作用は, ググッて見ると経済学用語みたいですね。複数の要因の間ではたらく相互強化作用を通じて, これらの諸要因の変化が並行的・累積的に進行することを意味するものです。ホリスの説明は選択肢2の解説を参考に。

選択肢4 正答。バートレットは, ソーシャルワークの専門職性(プロフェッション)を全体として捉え,ソーシャルワーク実践に共通する拠り所を求めて理論的な整理を行ったジェネラリストソーシャルワークで有名な人です。

選択肢5 誤り。これはリッチモンドの説明かなあ。ジャーメインのエコロジカルアプローチでは, 人が生活環境と共存するための能力(コーピング)と環境が人間のニーズに適応すること(レスポンス)の過不足が問題行動に結びつくと考えます。

ふう。新年度さっそく厳しい問題でしたね。

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