第27回-社会専門100

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問題100 相談援助のアプローチに関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 フェミニストアプローチは, 女性にとっての差別や抑圧などの社会的な現実を顕在化させ, 個人のエンパワメントと社会的抑圧の根絶を目指す。
2 解決志向アプローチは, ソーシャルワークを”問題解決の過程としてとらえ, クライエント自らが”問題を解決することを目指す。
3 行動変容アプローチは 役割理論を導入したもので, 条件反射の消去あるいは強化により, 特定の問題行動の変容を図る。
4 課題中心アプローチは, 短期間の援助を目指したもので, 他のソーシャルワークアプローチの影響を受けていない。
5 心理社会的アプローチは, 精神分析理論を導入したもので, 人は意志を持っていると考え, 意志の力を活用した援助を行う。

でましたアプローチシリーズ。これは何年も続けて出題されているので解けないといけません。

選択肢1 正答。フェミニスト・アプローチは, 1970年代に登場した, フェミニズムの視点にたって行うソーシャルワーク実践のことです。女性に対する抑圧の原因を分析し, 女性の解放を目指す思想であり, 暴力, 差別等, 女性を対象とした社会抑圧を焦点化し, 個人のエンパワメントすると同時に, 社会変革を目指します。

選択肢2 誤り。解決志向アプローチは, バーグやシェイザーらによるブリーフセラピーの流れを汲むアプローチです。直接的因果論や客観的事実を否定し, 現在・未来志向の短期アプローチですね。選択肢はパールマンの問題解決アプローチの説明だと思います。

選択肢3 誤り。行動変容アプローチ (トーマス)の基盤となる理論は学習理論です。役割理論もパールマンの問題解決アプローチの説明じゃないかなあ。

選択肢4 誤り。まあ「受けていない」という用語は感覚的にあやまりっぽいですよね。リード, エプスタインによって提唱された課題中心モデルは, 心理社会的アプローチや問題解決アプローチ, 行動変容アプローチから影響を受けた, 折衷的なアプローチです。

選択肢5 誤り。選択肢は機能主義アプローチの説明だと覆います。機能主義におけるケースワークの役割は,クライエントの問題解決を援助するのではなく,クライエントの成長しようとする自由な意思を邪魔する障害を取り除くことにあります。ホリスが提唱した心理社会的アプローチは診断主義ケースワークに立脚しています。

さて今日はここまでー。

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