第27回-社会専門103

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問題103 事例を読んで, L家庭支援専門相談員が活用するアセスメントツールとして, 最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Mさん (28歳) は, 2年前に離婚し, 実家とも絶縁状態となった。また, Mさんは, 長期の入院治療が必要となったことから, 娘 (4歳) を児童養護施設に入所させた。1年後, Mさんは退院し職場に復帰した。その後, 実家との関係も改善し, 同僚や同世代の近隣住民との付き合いも増えてきた。Mさんは娘を引き取りたいと, 数日前, L家庭支援専門相談員に相談に来た。L家庭支援専門相談員は, Mさんを支援するためには 離婚した夫, 近隣住民, 施設などの社会資源との関係を把握することが必要と考えた。
1 ジェノグラム
2 インターライ方式
3 エコマップ
4 ソシオグラム
5 PIE (Person-in-Environment)

これはアセスメントツールの用語問題です。よく考えられた面白い問題ですね。今までなんかひどい問題が続いていたので少し箸休めって感じでしょうか。

選択肢1 誤り。ジェノグラムは, 複数世代が盛り込まれた家族関係図のことです。家族間の関係や力動を図式化するためにわかりやすい手法です。地域住民や社会資源まで見るのにはあまり適していないと思います。

選択肢2 誤り。インターライ方式とは高齢者に対するアセスメント方式です。多職種による利用を前提に, 地域包括ケアを中心としたアセスメントツールです。

選択肢3 正答。社会資源を視覚化するという意味ではエコマップが最も適切ですね。エコマップは, ハルトマンによって開発された生態地図で, 社会資源や人間関係などを俯瞰してみるのに役立ちます。

選択肢4 誤り。ソシオグラムと言えば, モレノですね。これは集団の中の構成員の関係性などを定量的に測定するためのツールです。

選択肢5 誤り。これは知らなかった。このページを参考に。PIEは, ウォンドレイとカールズ作ったもので, このシステムでは, 社会的役割や, 環境的要因に着目したアセスメントツールみたいですね。

今日はここまでー。

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