第27回-社会専門106

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問題106 事例を読んで, C医療ソーシャルワーカー (社会福祉士) の対応として, 適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
C医療ソーシャルワーカーは, X病院に一人だけの医療ソーシャルワーカーとして採用された1年目のワーカーである。末期がんの告知を受けて入院している身寄りのないDさん (70歳, 男性) の相談に入院当初から親身になって応じ, 休日にも様子を見に来るなどしていた。このたび, 長期の休暇を取得しようと考えているが, 休暇中にDさんの病状が急変した場合のことが気になり, 休暇を取りやめるべきかどうかと考え始めた。

1 Dさんに自分の携帯電話の番号を告げ, 直接連絡が取れるようにして休む。
2 Dさんに事情を率直に話して一緒に考えてもらい, Dさんの意思を尊重する。
3 Dさんの病状急変時のワーカー業務について, あらかじめ看護師長らと相談する。
4 Dさんには, 休暇を取りやめ自分がずっと支援すると言って安心してもらう。
5 個人的熱意でかかわり過ぎる自分の行動傾向を内省し, Dさんとの関係を見直す。

新人1年目で一人ワーカー。僕もこんな感じだったなあと懐かしく思いながら解いた事例問題です。これもサービス問題かなあ。

選択肢1 誤り。社会福祉士の行動規範の中にも「社会福祉士は, 利用者と私的な関係になってはならない。」とあります。なんとかしたい気持ちはあっても私的な番号のやりとりは, 専門的援助関係とは言えないと思います。

選択肢2 誤り。これは専門職としてはどうでしょう。Dさんの支援に酔っているだけだと思います。これ選んでしまった人多そうですが。。

選択肢3 正答。専門職としての業務を多職種にお願いするのは心苦しいですが, ワーカーも被雇用者なので休暇を取る必要があります。一人ワーカーという状態では, 多職種との連携が欠かせません。

選択肢4 誤り。こんなことすると援助側が限界に達してしまいます。専門職として関わる際に, 適切な仕事との関わり方はとても大事だと思います。

選択肢5 正答。言い過ぎかなあとも思ったのですが「 休暇中にDさんの病状が急変した場合のことが気になり, 休暇を取りやめるべきかどうかと考え始めた」という時点で専門的援助関係としては行き過ぎだと思います。こういう一人職場では, そこを指摘してくれるスーパーバイザー的視点がどうしても欠けてしまうので, より内省的態度が求められるのではないでしょうか。

今日は結構スムーズに進みました。今日はここまでー。

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